新 卒DX研修

昨年までと同じ3ヶ月の研修期間で「プログラミング」と「ビジネス創造」両方のスキル習得

株式会社セゾン情報システムズ

Introduction

2016年、開発遅延による150億円という多額の賠償金支払いをきっかけに社内開発組織の見直しを図り、「バイモーダルIT」の考え方の元、組織課題に多方面から挑戦。新人育成という観点から、バイモーダル人材の輩出・文化醸成を目的としてtrack DX研修を実施している。

Interviewer

HRサポート部
コミュニケーションパートナーズ
グループ長

武田 俊介 様

IT・マーケティング業界で人事を中心に経営管理領域全般に従事。国内外のベンチャー・子会社支援、中国での現地法人立ち上げ等に携わる。外国人の採用教育・マネジメントを得意とし、外国人専門の人材エージェントでの営業や海外進出コンサルでのコンサルティング経験もあり。2017年よりセゾン情報システムズ人事部(現HRサポート部)にてエンジニアの採用・教育、人事マンの育成に携わり、現在はHRブランディングおよびインナーコミュニケーションの領域を管轄している。※インタビュー当時

HRサポート部
キャリアパートナーズ
グループ長

剱持 裕輔 様

大学卒業後、大手メーカ系Sierに人事職として入社、以降20数年一貫してHR領域に携わっており、メーカー系Sier退職後は、新鋭の輸入商社にてHR部門の新規立ち上げを担う等、会社規模の大小に関わらず外部と内部の環境を分析し施策に落とし込むことを得意としている。2012年よりセゾン情報システムズ人事総務部(現HRサポート部)にて幅広くHR領域に携わっており、現在は人材採用・教育の領域を管轄、ギブリー社とのコラボレーション施策を立ち上げた。 ※インタビュー当時

HRサポート部
コミュニケーションパートナーズ

徳 葵 様

大学卒業後、インターネット写真サービス事業を展開している企業へ営業職として入社、約3年間新規開拓営業に従事しその後採用担当として新卒採用、中途採用等、採用業務全般の業務を担当。以前より興味のあったITについて学ぶため独立系Sierに採用担当として入社し、エンジニアの採用に携わる。2018年よりセゾン情報システムズ人事部(現HRサポート部)にてエンジニアの採用に携わり、現在はHRブランディングおよびインナーコミュニケーション業務に従事している。※インタビュー当時

Outline

Issues

「バイモーダルIT」を根付かせ、短期間で
技術とビジネスの両方のスキルを身に付けられる
研修が実現できていない。

Solution

「ソフトウェアエンジニアリング」と
「アジャイル開発をベースとしたビジネス企画立案」
2つのテーマで研修を実施。

Impact

「技術×ビジネスの両スキルを持つ」人材を3ヶ月で育成。
プログラミング試験の平均点が入社前より20点UP、
研修生からのビジネスアイディアで新規事業も始動。

Issues

導入前の課題

「バイモーダルIT」を根付かせ、短期間で
技術とビジネスの両方のスキルを身に付けられる
研修が実現できていない。

開発遅延による賠償金は多額で、会社は存亡の危機を迎えました。この出来事をきっかけに、外部にお願いするばかりで低下していた技術力や技術者の組織をどうやって挽回していくかを考えました。また、新規事業や次世代事業を社内で作る必要があり、社内にR&D(研究開発)のチームを立ち上げました。

たくさんの取り組むべき施策がある中で、新卒社員研修もその一つでしたが、これまでの育成方法は、新人エンジニアを採用したら人事が配属現場を決定、あとはOJTで学んでもらうという方法を採っていました。

しかし、それではダメだよねという話になり、1年目、2年目とカリキュラムを試行錯誤して研修を実施しましたがビジネス的な要素と技術的な要素のバランスが難しく、ギブリーさんの助けを借りようということになりました。

“ 研修を通して、守りのIT(モード1)と攻めのIT(モード2)の両方を兼ね備えた人材に育って欲しい ”

我々が組織改革を推進するにあたって強く打ち出していたのが、「バイモーダルIT」という考え方です。これは、「モード1」と呼ばれる旧来の”ウォーターフォール”型の開発体制や既存のシステムを、すべて新しいものにするのではなく、「モード2」の”アジャイル”型や新規事業などと並行して開発や組織づくりを進めていくというものです。

弊社では新規事業もありますが、以前からのお客様もいらっしゃるので、研修後の新卒社員が既存の技術・システムを運用する現場へ配属される可能性も勿論あります。

しかし、採用の場では「最先端の技術に関われること」を強調して伝えたのも事実で、そこにギャップを感じて会社を去った社員も少なくありません。どうにかして「モード1」と「モード2」の両方の必要性を伝えたい。それがギブリーさんにお願いした理由の一つです。

Solution

課題解決に至った要因

「ソフトウェアエンジニアリング」と
「アジャイル開発をベースとしたビジネス企画立案」
2つのテーマで研修を実施。

今回の対象は、採用経路が四大卒と高専卒で半々で構成される新卒社員は25名です。内定期間にエンジニアリングスキルをtrackで計測したところ、100点満点のテストで平均点の差が10点以上も開き、四大卒のほうが低い結果となりました。また、キャリア意識についてもかなりの差が見られたのです。

今回は組織文化の醸成に重きを置いていますので、レベル別に分けて研修を行ったりはせず、スキルもキャリア意識もバラバラな子たちを、どうやって一つの方向へ意識を持っていくかを事前に設計し、研修がスタートしました。

そもそも、通常の新入社員研修は、プログラミングスキルやウォーターフォールの基礎、「モード1」の習得に3ヶ月を割くのが一般的です。今回は、それに加えて「モード2」と言われる、企画立案をして、アジャイル開発の文脈でのモノづくりまでを同じ3ヶ月の期間で実施したいという無茶なお願いを、ギブリーさんに見事に叶えていただきました。

最初の一ヶ月間で実施した「モード1」の部分では、短期間で個々に合ったプログラミングスキルを習得してもらうため、trackを用いたセルフラーニング、ファシリテーションを行う「アクティブ&アダプティブラーニング」を活用しました。

“ バラつきがある研修生の技術レベルをtrackで可視化することで、1人1人の習熟度にあった課題を出題 ”

最初の一ヶ月間で実施した「モード1」の部分では、短期間で個々に合ったプログラミングスキルを習得してもらうため、trackを用いたセルフラーニング、ファシリテーションを行う「アクティブ&アダプティブラーニング」を活用しました。

研修生それぞれの習熟度が違う中で、モード2に進むためには、ベースとなるプログラミングスキルの構築の必要が出てきますが、trackで個人の習熟度を定点観測することで、1人1人に対する個別カリキュラムを作成しました。

その結果、全員のプログラミングスキル一定水準まで伸ばし、残りの1ヶ月半を、モード2に割り振ることができました。

後半の「モード2」の研修では、チーム型実践研修とし、アメリカ西海岸のGAFAほかスタートアップが一般的に使っている「デザインシンキング」「リーンスタートアップ」を用いて、チームごとに新規事業の立ち上げを行いました。

Impact

導入後の成果

「技術×ビジネスの両スキルを持つ」人材を3ヶ月で育成。
プログラミング試験の平均点が入社前より20点UP、
研修生からのビジネスアイディアで新規事業も始動。

研修後に大きく結果が出たのが「実装力」です。研修前に実施したテストと類似の問題で再度総合テストを実施したところ、最初はほとんどの子が解けていなかったデータベースの実装とBMIを計算する簡単な基礎演習を使ったプログラミングの問題が、きちんと解けるようになりました。

実際に現場に入ると求められるプログラムの質についても、研修前後のコードをギブリーさんが共同研究をしている奈良先端科学技術大学院大学からのソースコード解析とメトリックスにおける評価を実施したところ、プログラミングの質が改善されたという結果を得ることができました。

“ 社会人を10年以上やっている我々からみても「おおお!」と思えるビジネスアイディアが出てきまして、事業化に向けて動いています ”

研修の最後に、5つのチームに分かれて、実装したプロダクトのデモと商品戦略をお披露目する成果発表会を実施しました。成果発表会は社長以下の経営陣と、驚くことに、全く関係ないお引取り先や他の人事の方にもご参加いただきました。

研修生の各チームのプレゼンに対して「あなたなら、どの事業計画にいくら投資しますか」とアンケートしたところ、ひとつのアイデアにお金が集まったということです。

そのアイディアは、まさかまさか社会人を10年以上やっている我々からみても「おおお!」と思えるものでして、現在社内で事業化に向けて動き出しています。社内公募で新規事業に携わりたい希望者を募り、大学生のインターンシップを募集し、新規事業を立ち上げるために、本気で上から下から横から全方位でチャレンジをしています。

新人研修を育成に留まらせず、新しい事業のアイディアの種を作って、そこに現場の方々を巻き込んでいく。非常にユニークな結果になったなと嬉しく思います。

株式会社セゾン情報システムズ

SIer事業者として、コンサルティングからシステム構築、保守・運用までを担う一方で、「HULFT」シリーズをはじめとするクラウドサービスを展開する。AIやRPAなど先端技術を取り入れたITソリューションの提供を目指し、先行研究や実証実験も活発に行う。

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