人事と現場エンジニアの連携が採用を加速させる。ペーパーテストからの乗り換えで80%のスキル評価の工数を削減した一方で、毎年スキルフルな人材を採用し続けるオロの採用戦略とは

Intervew - 導入企業様インタビュー 05

人事と現場エンジニアの連携が採用を加速させる。ペーパーテストからの乗り換えで80%のスキル評価の工数を削減した一方で、毎年スキルフルな人材を採用し続けるオロの採用戦略とは

導入目的:新卒エンジニアの採用

ORO

株式会社オロ

卓越した発想力と最新の技術力をベースに、業務改善・経営効率化を支援するビジネスソリューションと、企業のマーケティング活動をワンストップで支援するコミュニケーションデザインに関するソリューションを提供するオロ。



事業をトレンドに合わせながら変化させていくというマインドが、技術者集団オロとしての強みです。高い技術が求められる同社だからこそ、エンジニア採用は現場も人事も一丸となって取り組んでいる重要な戦略となっています。



昨今「良いエンジニアが採用できない」という声は、様々なIT/Web領域の企業人事から聞く課題ですが、同社では採用数はもちろん、年高い技術力のエンジニア採用に成功しています。



今回は、そんなオロの具体的な採用戦略と手法について、人事の吉井様と採用に関わるエンジニアの黒河様にお話を伺いました。

Interview

  • 吉井 惇
    社長室 人事採用グループ
    吉井 惇 様
  • 黒河 俊樹
    コミュニケーションデザイン事業本部
    クリエイティブグループ
    ソフトウェアエンジニア
    黒河 俊樹 様

エンジニアの採用状況と御社の開発チームについて教えてください。

吉井:
新卒は毎年10名程度採用しており、中途は年間4〜5名程度を目標として掲げています。社内のエンジニアの平均年齢は28〜29歳程度、若手メンバーが活躍しており、シニア層も数名います。
現在日本では3人しかいないvue.jsのコミッターが社内にいたり、よくカンファレンスや勉強会で登壇するようなエンジニアがいたりと、個の技術力も高い会社ですので、新卒であったとしても開発経験のある方を求めています。
新卒の母集団形成は、即戦力エンジニアに特化した人材サービスや求人媒体を活用しており、毎年~200名程度と接触しています。

他社に比べ高い技術力を求める中で、
スキル面のスクリーニングはどのように行っていたのでしょうか?

吉井:
エンジニア職の方向けには、説明会後に自社で作成したペーパーテストを実施していました。基礎的なアルゴリズムテストを実施し、回答のコードは紙に手書きをしてもらっていました。
黒河:
入ってから技術面でミスマッチが起こらないようにするために、一次面接の際にも、1問1時間程度で解いてもらう経路探索系のアルゴリズム問題などを作成し受験してもらっています。エンジニアの場合、ミスマッチをなくすためには、技術的評価が欠かせないからです。

ペーパーテストでの採用試験において抱えていた運用面の課題を教えてください。

吉井:
採用の重要性を自分事として捉えてくれているエンジニアの協力もあり、ペーパーテストの採点や評価等の運用は何とかまわしていたのですが、応募が増えれば増えるほど、評価する現場エンジニアにかかる工数が膨大になっていきました。
1名分の採点にあたり30分~1時間程度の時間を要するものを、年間100人分以上こなしていたのです。
また、採点結果が評価してくれた現場エンジニアからあがってくるのに、2〜3日のタイムラグが出てくるので、人事側としてもスピード感のある選考ができないことに、もどかしさを感じていました。ある程度知識のある人事がエンジニアの代わりに採点をしようにも、コードが書けているかいないか、くらいを判別するのが限界で、どういう意図で書いたのか、何を意識したのかの見極めまでは難しく、レビューすることができないこともあり、苦心していたのが実情です。
このように採用における技術者の選考や評価の部分は、人事側としても少し見えづらい工数ですが、かかっている時間と機会損失を年間で計算すると相当のコストになっていたので、ここを改善することは全社的に大きな価値を生むことになると気づいたのです。
黒河:
エンジニアからしても、Pythonで書かれた手書きのコードを読むのは辛いとか、そもそも手書きのコードが汚くて読めないとか、何の言語で書かれているのかを最初に理解するのに時間がかかるとか、ペーパーテストでの運用に対して不満が多く出ていました。
もともとスキルチェックやスクリーニングに予算は割いていなかったのですが、trackの話を聞いて、年間の人事とエンジニアの工数削減を考えれば圧倒的にコストパフォーマンスが良いことが分かったので、すぐに導入を決めました。

trackの活用方法について教えてください。

吉井:
説明会に参加していただく方には、PCを持ち込んでもらい、そのまま会場でtrackにアクセスして受験してもらっていて、中途や地方の学生の方には自宅での受験をお願いしています。我々としては求職者の方が解答を提出したと同時に管理画面で採点結果を確認できるので、すぐに次の選考アクションを進められています。
現在弊社では、基準点以上だったらスピーディに現場エンジニアとの面接を設定する、基準点未満なら人事との面接、最低基準を下回る場合はお見送り、といったフローで選考を最適化しています。
また、地方や海外の方で説明会に参加しづらいという方はオンラインで受験してもらうことで、求職者の方にとってもメリットになっています。
黒河:
エンジニア目線から見ても、ペーパーテストではゼロイチになりがちだったものが、テストケースをバラして自動採点をしてくれるので、スペックをたくさん見て判断ができているという意味で点数にある程度の信頼をおいています。

導入にあたり、課題となったことや懸念はありましたか?

吉井:
予算の面でいうと、スクリーニングという分野にもともと採用で費用を取っていないのでハードルになりそうなポイントですが、エンジニアにも相談して工数削減イメージが明確になったので、クリアできました。
黒河:
ハードルになったのは、これまで定性的にプログラミングのコードをすべて見ていたのを、定量評価に変えることに対する意識統一の部分です。そもそもソースコードに対して点数をつけるということ自体が難しい領域であり、一意に評価するだけではいろんなエンジニアの特性が測れない部分も出てきます。
現状ではスキルが不足していても、いずれ活躍するかもしないという方を落としてしまうリスクもありましたが、それ以上に現在スキルの高い方を選考に進める、そうしたスキルの高い方に注力してアトラクトしていこう、という共通認識を持って、定量評価をしようという意思決定をしました。結果的にはこの選択が奏功し、確実に良いと思える方を採用できるようになりました。

trackを実際に導入したことで、どのような変化があったのでしょうか?

黒河:
一番大きな成果は、人事と現場エンジニア間で、「スキルの明確な共通基準」を作れたことですね。 社内の新卒1〜3年目のエンジニアに受けてもらって、最初の基準を作り、基準をクリアした方であれば、100%上げても大丈夫だというラインを設定しました。そして、最初に数人の求職者の方に受けてもらい、基準値を超えた方も、そうでない方も共に、他の手法でスクリーニングしたとしても同じ結果になることが分かってくるので、そこをボトムにして人事が判断できるようにしています。

実際の数字で説明すると、弊社の現場エンジニアは満点に対して86~100%の幅で点数を取りました。そのため、新卒採用を受けにきていただく学生の通過ラインを当初、弊社エンジニアに比べて比較的ハードルを下げた形に設定していました。
ところが初めの1カ月で、10人ほどに受けてもらい、その後の一次面接を実施するうちに、もともと設定していた基準を越えたとしても、二次につながらないことが分かったので、その後はボーダーをさらに引き上げました。
その後は一定基準以上の技術力がある求職者に、スピーディに現場エンジニアをアサインできるようになったという意味では非常に助かっています。
これからもこの基準値は上がっていくと思いますし、事業部間によって具体的な業務や求められるスペックは異なるので、それに合わせて基準を変えていくのもいいなと思っています。
中途についても同様にフローをつくって、trackでスキル評価をしています。
説明会を経てエントリーしていただいた後、個別面接の前に受けていただいています。中途の方は当然お忙しく、時間がない場合も多いので、事前にオンラインで受けていただくケースもあります。プログラミング問題の内容は、現状では新卒向けのものとあまり変えていません。ちなみに最近では、基準値を大幅に超えてくる方は、一次も二次も高確率で通過するというデータも溜まってきていて、今後求職者が増えていけばもっと精度があがるイメージを持っています。もちろん、すべてが定量化できるものでもないので、100%とは言えませんが、技術テストの結果と、属人的に面接などで技術について精査した場合の判断は、高い相関があると思っています。

オロ様の採用観と、業界全体のエンジニア採用についての所感を教えてください。

吉井:
弊社は学歴のようなあいまいなデータでエンジニアの方を精査すべきではないと考えています。よく学歴を見る企業さんもいるとは聞きますが、弊社にはコードで勝負したいというエンジニアの方にぜひ来ていただきたいと思っています。
履歴書やエントリーシートだけでなく、技術力やコードで評価するという考え方が、業界全体で広がっていけばいいなと思っています。
エンジニアが就職や転職活動のときに、コードで勝負できるようになっていけば、世の中全体のエンジニアの底上げになるのではないでしょうか。
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