導入事例

ウェルスナビ株式会社

コーディングテストによって、技術力を定量指標で評価。
学校名や学部などの定性的情報に頼らずとも、
優秀な新卒1期生を想定の2倍以上採用できた。

  • Track Test
  • 採用スクリーニング

若年層へのニーズに応えるプロダクト開発のため、同世代である新卒ITエンジニアの採用に踏み切った同社。大手企業やメガベンチャーなどの人気企業と競合するような優秀な人材を確保するためにコーディングテストを中核に据えた選考フローを構築。見事に採用基準の標準化と優秀な新卒エンジニアの採用に成功した。
* 採用フローの詳細については、同社のRecruiting Siteをご覧ください。
https://corp.wealthnavi.com/recruit

  • 課題
    新卒採用第1期。
    激しいITエンジニア採用市況で、メガベンチャーと競合しない
    隠れた優秀学生をどう見極めるか
  • 解決策
    難易度の異なる3問の問題と面接で、
    学生の「思考力」と「コーディング力」を評価するフローを設計。
    1人1人、コードの中身をレビューした。
  • 成果
    年齢や学歴などのバイアスにとらわれることなく、
    優秀な人材を見極める指標ができた。
    内定承諾率も脅威の7割オーバー。

課題

新卒採用第1期。
激しいITエンジニア採用市況で、メガベンチャーと競合しない
隠れた優秀学生をどう見極めるか

私たちは社員の約半数がエンジニアやデザイナーで構成された「ものづくりする金融機関」です。働く世代をメインターゲットに全自動の資産運用サービス『WealthNavi』を2016年から提供してきました。2020年12月のIPO当時は3,200億円余りだった預かり資産は2023年7月に9,000億円を突破し、まさに今急成長フェーズを迎えています。

この成長を支え、成人年齢の引き下げと金融教育の義務化によって益々増えていくであろう若年層ユーザーのニーズをプロダクトに反映していくため、弊社では2024年卒から第1期の新卒採用活動スタートを決断しました。しかし、ご存じの通り、新卒ITエンジニアの採用は非常に競争が激しいです。

“本格的な開発経験がある学生は就活市場では1,000~2,000人ほど(※1)。
そのわずかなターゲットにメガベンチャーや
大手企業などが強烈にアピールをかけています。
正直、我々にとって非常に厳しい市況であることを実感していました。”

メガベンチャーと競合しない、隠れた優秀人材を見つけ出す。そのために弊社が立てた戦略は、まず学歴や年齢などに関わらず、「『老後2,000万問題』という極めて大きな社会問題を技術で解決する」というビジョンに共感してくれる学生に絞ったプロモーションをかけることです。そして、コーディングテストを活用した採用選考で、確かなプログラミング技術の素地と未知の課題に取り組む思考力を見極めようと考えました。

「ただでさえ候補者の母数が少ない中でテストを導入すれば、選考離脱が増えてしまうのではないか」という懸念の声も少なからず上がっていたのは事実です。しかし、「新卒採用は一期で終わりではない。毎年エンジニア採用の精度を改善していくためには、定量指標が必須だ。」という開発エンジニアの強い要望で、最終的に導入を決断しました。

解決策

難易度の異なる3問の問題と面接で、
学生の「思考力」と「コーディング力」を評価するフローを設計。
1人1人、コードの中身をレビューした。

問題設計で最も重視したのは問題の質、そして適切な難易度設定です。ダミーアカウントを使って開発エンジニアと役員で実際に問題を見ながら、知識で解ける問題ではなくアルゴリズムのような思考力を問う問題を中心に、平均点もチェックしつつ吟味していきました。

当初は長時間の試験による学生の離脱を懸念し、中級程度の問題1題のみとする案でしたが、幅広い人材を対象にして力量を測るなら、やはり経験が浅くとも学生の思考力を測れるような入門問題が必要だと考えを改めました。それに、経験を積んだ学生にとっては技術力がアピールできるような解きがいのある問題を求めているだろうと、高難度の問題も組み込んで出題することにしました。

Track Testを選んだ決め手は豊富な問題数にあったのですが、様々なプログラミング言語に対応しつつちょうど良い難易度の問題が揃っていてやはり助かりましたね。

“ 3題で計100分。当初の3倍のボリュームになりましたが、
どれも思考力を問う良問揃い。
「この課題に意欲的に取り組める人材に来て欲しい」と、
開発陣も意見が一致しました。 ”

選考フロー内では1次面接と最終面接の間に設定し、テスト受験者は全員最終面接に臨んでもらいました。これは、私たちがスクリーニングのためではなく、学生一人ひとりと向き合い、その力量や思考回路をしっかりと見極めるためのテストにしたかったからです。

見るべきポイントは、抽象的な課題に対してどんなアプローチをしているかでした。実際やってみると、点数は決して高くなくても「Pythonでこんな面白い書き方するんだ」といった思考力が際立つ学生もいました。また、最終面接でテストのつまづいた部分について、「時間がなくてああ書いちゃったんですけど、後から考えると別のやり方があったと気づきました」と自ら課題を見つけて思考する学生も見られました。

“ コーディングテストと口頭試問という関門は、
合格した学生に自信を持たせてくれる効果もありました。
一つひとつの細かなフィードバックも「そんなところまで見てくれたんだ!」と
学生の志望度向上につながったようです。 ”

「コーディングテストがあることで選考を離脱する学生が増えてしまうのではないか」という懸念は杞憂だったことが選考を通じてわかりました。採用活動を通じてお会いした約300名弱の学生のうち、、本選考に参加してくださった方は約50名[1] 。コーディングテストというハードルがありつつも、意欲ある学生が集まってくれました。

最終面接でテストのフィードバックに時間を注ぎつつ、人柄・価値観・学生生活の過ごし方などの内容は選考にはかかわらない面談で聞くこととし、学生にとっても私たちにとっても向き合うべき対象に力を注ぐことのできる良いフローになったと思っています。

成果

年齢や学歴などのバイアスにとらわれることなく、
優秀な人材を見極める指標ができた。
内定承諾率も脅威の7割オーバー。

Track Test導入の最大の成果は採用基準を標準化できたという点にあったと思います。コーディングテストの存在によって選考フローや面接が構造化でき、各工程で学生のどこを見て評価するのかが明確になりました。

選考側はどうしても年齢や学歴といった要素がバイアスとなってしまうこともありますが、フラットにコーディング力だけで判断できる基準ができたことで「本当の技術力を備えた優秀な学生だ」と確信を持てるようになったんです。特にこの点については、選考終了後に驚かされました。

“ 「情報系学部出身ではないのに、どうしてあんなに意欲が高くて優秀だったんだろう?」と感じていた学生たちが、実は副専攻で熱心に学んだり、
金融工学の第一線で活躍した教授の研究室に所属していたことが
内定者の学校訪問で分かったんです。 ”

今回選考基準の定量指標があったため、基準を上回る学生が想定の数を超えていても、内定を出すことに迷いは全くありませんでした。でも、もし仮にバックグラウンドに影響されたり、曖昧な基準であったなら彼らのような本当に弊社にマッチした優秀な学生を採用し損ねていたかもしれません。結果、内定承諾率は7割を超え、目標の2倍以上の人材を獲得するという大成功で初めての新卒採用を終えることができました。

導入前は不安もありましたが、実際にテストを導入した選考を進めてみると「テストが理由で選考を回避する学生は本来の選考候補ではなかった」ということもわかってきました。そこが腑に落ちたことで、中途採用への利用拡大の検討も活発になってきています。全く違う問題設計に、コーディングテストチェック担当者の選任。議論すべきことが多々有りますが、より良い採用につながりそうです。


※1 ゼロからわかる新卒エンジニア採用マニュアル(サポーターズ代表楓博光)より抜粋
※2 一般社団法人日本投資顧問業協会「契約資産状況(最新版)(2023年3月末現在)『ラップ業務』『投資一任業』」を基にネット専業業者を比較ウェルスアドバイザー社調べ(2023年6月時点)

ウェルスナビ株式会社
ウェルスナビ株式会社は、「働く世代に豊かさを」をミッションに掲げ、預かり資産・運用者数No.1ロボアドバイザー「WealthNavi」を提供するFinTech企業。ノーベル賞受賞者が提唱する理論に基づいた「長期・積立・分散」の資産運用を、自動で実現するサービスで、機能性、透明性、シンプルな手数料が高く評価され、働く世代の支持が拡大しています。強固な顧客基盤を持つパートナー企業を通じたご利用も広がっています。
  • 小山 浩平 様
    ウェルスナビ株式会社
    採用チーム
    マネージャー

    楽天やメルカリなどでエンジニア採用などを担当した後、2020年6月にウェルスナビに入社。採用や総務領域を担当し、上場後の組織の急拡大に貢献している。

  • 入倉 里咲 様
    ウェルスナビ株式会社
    採用チーム

    大手技術派遣会社にて、新卒ITエンジニアの採用責任者を担当した後、2023年2月にウェルスナビに入社。新卒採用リクルーターとして新卒1期生の採用に貢献している。

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Track Test
Track Testは、エンジニアのプログラミングスキルをテストし、データに基づいて採用を決定するための技術採用プラットフォームです。

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