株式会社ギブリー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:井手高志、以下ギブリー)が展開するDX人材の採用・育成・評価のためのHRプラットフォーム「Track(トラック)」は、IT人材の需給ギャップが拡大する中で、一部の先進企業の新卒エンジニア採用で導入される「職種別採用」「配属先確約」「個別オファー制度」がエンジニア職志望学生に与える影響や、プログラミングスキルの習得度別に見る就職活動の実態を明らかにすべく、2023年卒業予定のエンジニア職志望学生350名を対象に、就職活動に関する調査を2022年6月17日〜2022年7月16日にて実施いたしました。
調査目的
経済産業省が2016年に発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」では、2030年に最大79万人のIT人材が不足すると推計されています。国内IT人材の需給ギャップの拡大や、近年のDX推進の潮流を鑑みると、優秀なエンジニアを自社に招き入れるためには、中途のみならず新卒採用に注力することも重要な企業戦略のテーマとなってきています。
そのような中で、経団連が「ジョブ型雇用」への転換を推奨していることも相まり、エンジニア職の中でも開発ポジションごとに選考コースを分ける「職種別採用*」、入社後の配属先を確約した状態でオファーを出す「配属先確約*」、個々人によって給与提示額の異なる「個別オファー制度*」など、一部の先端企業では新卒でも中途同様の採用方式・柔軟な給与待遇を導入する企業も出てきています。
一方で、日本従来の「メンバーシップ型雇用」を長年続けてきた大手企業にとって、それらの導入は安易ではありません。
そこで今回、「テクノロジースキルを経営資源に」を理念に多くの人々や組織が創造力(エンジニアリング力)を発揮できる、よりよい未来の実現を目指して活動をしているTrackチームでは、「職種別採用」「配属先確約」「個別オファー制度」がエンジニア職志望学生に与える影響や、プログラミングスキルの習得度が就職活動にどのような影響を及ぼすかを明らかにすべく、2023年卒業予定のエンジニア職志望学生350名を対象に、就職活動に関する調査を実施いたしました。回答者のプログラミングスキルに応じて、初級・中級・上級の3階層にデータを分類し、新卒ITエンジニアの動向や嗜好をスキル習得度別にまとめています。
* 職種別採用:「総合職(営業やバックオフィス業務等)」と「エンジニア職(技術職)」を分けて募集し、「エンジニア職(技術職)」の中でも「フロントエンド」や「データサイエンス」等、開発ポジションごとに選考コースを分ける採用方式
* 配属先確約:入社後初の配属先を確約した状態で内定を出す採用方式
* 個別オファー制度:新卒一律の給与額提示ではなく、候補者のスキルや専門性の高さに応じて個々人ごとに異なる給与額を提示する制度
本調査の設問一覧について
本調査の設問は、以下の通りです。
・インターンや就職イベント/本選考へのエントリー数
・インターンや就職イベント/本選考に向けて動き出す時期
・就職活動において最も活用した情報収集チャネルとその理由
・就職活動の終了時期
・内定承諾先の企業概要
・内定承諾先の採用プロセス状況について(給与提示方法/初任給のオファー金額/「配属」確約有無/「職種」確約有無)
・各要素の内定承諾への影響(配属先の指定/企業が使用するプログラミング言語/1~3年度のキャリアイメージの醸成/配属先社員との面談/職種や担当する領域の指定/上場有無/給与提示額/リモートワーク有無)
・内定承諾の理由
・各種選考の経験有無とその割合(職種別採用/配属先確約選考/コーディング試験)
・コーディング選考導入企業への印象
・コーディング選考に関する印象的なエピソード
全設問の結果は、以下URLよりご覧いただけます。
(調査レポートダウンロード:https://tracks.run/download/wp-n12/)
回答者に関して
2023年卒業予定のエンジニア職志望学生350名の属性比率は以下の通りです。
<学校区分>
・大学院生 :43.1%
・大学生 :47.4%
・高専学校生:2.6%
・専門学校生:6.6%
・職業訓練校生:0.3%
<プログラミングスキル習得度>
・初級者:42.9%
・中級者:38.0%
・上級者:19.1%
回答者属性に関する詳細は、以下URLよりご覧いただけます。
(調査レポートダウンロード:https://tracks.run/download/wp-n12/)
本調査結果のサマリー
【1】スキル上級者は7割以上が「職種別採用」にエントリー。
【2】スキル上級者の56%が、エンジニア職の開発ポジションまで確約されたオファーを承諾。
【3】スキル上級者の49%は、内定承諾の理由を「自分の能力や専門分野を活かせるから」と回答。
【4】スキル上級者の68%は、初任給400万円以上。(そのうち約10%は700万円超え)
【1】スキル上級者は7割以上が「職種別採用」にエントリー。
スキル上級者は、職種別採用の経験割合が71%と初級者や中級者と比較して高い結果に。スキルの習得度が高い学生ほど、「職種別採用」の経験割合が高いです。
【2】スキル上級者の56%が、エンジニア職の開発ポジションまで確約されたオファーを承諾。
プログラミングスキルの習得度が高い学生は、56%がエンジニア職の「フロントエンド」「バックエンド」といった開発ポジションまで確約された状態でのオファーを承諾しています。その割合は初級・中級と比較して2倍以上高く、スキルの高い学生に顕著に出る就職活動の特徴と言えるでしょう。
【3】スキル上級者の49%は、内定承諾の理由を「自分の能力や専門分野を活かせるから」と回答。
スキル上級者の内定承諾の理由Top2には、「若い時から挑戦できる環境があること」「自分の能力や専門分野を活かせること」がランクインしました。このことから、スキル上級者は「自分の能力や専門分野を活かせる挑戦的な環境があるのか」を重要視した企業選びをすることがわかります。
職種別採用は「総合職」「エンジニア職(技術職)」と一括りにされる募集よりも、「フロントエンド」「データサイエンス」など職種が細分化されており、その職種での業務内容の判断がしやすいという利点があります。入社後に自身の専門性を活かせることが学生にも伝わりやすい職種別採用や配属先確約は、スキル上級者のエントリーや内定承諾を促しやすいと考えられます。
【4】スキル上級者の68%は初任給400万円以上。(そのうち約10%は700万円超え)
初任給は、メンバーシップ型採用の特色である新卒一律の給与額ではなく、回答者の約20%が個々人によって給与額が異なる個別オファーを受けていることがわかりました。
その中でもスキル上級者に関しては、68%が400万円以上の初任給を提示されており、その約10%が700万円以上という驚愕の初任給を提示されています。
Track Job・Track Test事業部長からのコメント/総括
「戦力となるエンジニア人材の採用には、新卒でも中途同様に“スキル”や“専門性”を評価する採用プロセスの構築・柔軟な給与待遇が必要に。 」
プログラミングのスキル習得度を3段階のレベルに分けてそれぞの就活動向を調査しましたが、「スキル上級者の68%は初任給400万円以上」「その中には700万円を超える人材も10%程度いる」「スキル上級者は、7割が職種別選考にエントリー」など、エンジニア採用をしている企業の経営者や人事部の皆様にとっても、レベル別に見た時に、いままで捉えづらかった、目から鱗の情報もあったのではないでしょうか。
新卒の学生の中には、研究分野や開発実績の経験を積み、先端技術を活用できる、即戦力のエンジニア人材が育っている場合があり、企業は、”新卒だから”という理由で一律で横並びの給与でオファーを出し、同じ初歩的な研修を用意するだけでの受け入れが難しくなっていくことが予想されます。戦力となるエンジニア人材の採用においては、新卒でも中途同様に“スキル”や“専門性”を評価する採用プロセスの構築や、柔軟な給与待遇・オファー提示が今後さらに重要性を増していきます。
本調査レポートが、経営者や人事責任者の皆様にとって、自社が採用するべきレベルのエンジニアを正しく理解し、そのターゲットに合わせて最適なエンジニア採用戦略を描くための一助となれば幸いです。
本調査レポートのダウンロード方法について
『スキル習得度別に見る、新卒ITエンジニア就職活動の実態調査』
調査期間:2022年6月17日〜2022年7月16日
調査対象:2023年度卒業予定のエンジニア就職活動生350名
調査手法:Trackが運営しているエンジニア求人サービス「Track Job」の登録学生に回答を依頼。
すべての回答結果は、以下URLよりご覧いただけます。
(調査レポートダウンロード:https://tracks.run/download/wp-n12/)
DX人材の採用・育成・評価のためのHRプラットフォーム「Track(トラック)」について
Trackは、プログラミングスキルの可視化を基盤とした、エンジニアの採用・育成・評価で必要とされる、各種プロダクト・サービスを網羅したHRプラットフォームです。
https://tracks.run/
<Track Test(トラック・テスト)>https://tracks.run/products/test/
プログラミングスキルをテストし、データに基づいて採用を決定するためのエンジニア採用プラットフォームです。コーディングテストを通して候補者のスキルを正しく理解することが強い組織を作ります。
<Track Training(トラック・トレーニング)>https://tracks.run/products/training/
企業のデジタル化に必要なスキルギャップを埋めるテクノロジー人材育成プラットフォームです。LMS(学習管理システム)を搭載したオンライン学習環境の活用で、ビジネスに必要なテクノロジースキルを構築する最も効果的な方法を提供します。
<Bootcamp(ブートキャンプ)>
配属先でのスキルギャップをなくす、”自立自走型”人材を育成するエンジニア研修サービスです。「スキルの可視化」と「リアルタイムフィードバック」 で学習効果の高いエンジニア研修を可能にします。
<Track Job(トラック・ジョブ)>https://tracks.run/products/job/
ハイクラスな新卒エンジニアを採用できる、プログラミングチャレンジ求人サービスです。プログラミング課題つきの求人サービスで、学生の中でも開発経験を積んだ即戦力エンジニア人材の採用を支援します。
株式会社ギブリーについて
https://givery.co.jp/
ギブリーは「すべての人が物心豊かな社会を実現する」をビジョンに掲げ、
HR Tech/Marketing DX/Operation DXの3事業を柱に、
「世界で必要とされる、本質価値を生むテクノロジー企業体」として、
“世界標準”のサービスを生み出し続け、日本の再生に寄与します。
会社概要
社 名 :株式会社ギブリー
所在地 :東京都渋谷区南平台町15-13 帝都渋谷ビル8階
代表者 :井手 高志
設 立 :2009年4月28日
資本金 :10,000,000円
事業内容:
・HRテック事業(Track)
・マーケティングDX事業(SYNALIO/LIBERO/Virtual Store)
・オペレーションDX事業(PEP)