2019.10.03

エンジニア新卒採用設計における
“コードテスト”の 導入フローや採用KPIを徹底公開!

コロプラ社とマイクロアド社の担当者が
導入効果をご紹介
【AgileHR day #Sprint12】

■Speaker 情報

株式会社マイクロアド
HRGrowth室 室長
伊藤 允晴(いとう・まさはる)様

株式会社コロプラ
HR本部 次世代部 新卒採用G リーダー
野呂 哲世(のろ・てっせい)様

■Moderator 情報

株式会社ギブリー
HRTech部門 track事業部
カスタマーサクセスマネージャー
西田 織衣(にしだ・おりえ)

■イベントレポート概要

エンジニア採用時には当然スキルチェックは実施してるものの、スキルチェックのために「オンラインのコードテストツール」を導入されている企業は、まだ多くないのが現状です。今回はエンジニア採用にコードテストを導入して、優秀な人材の獲得に成功している株式会社マイクロアドの伊藤允晴(いとう・まさはる)氏、株式会社コロプラの野呂哲世(のろ・てっせい)氏をSpeakerにお招きし、実際に導入した方法論やコードテストでの見極めポイントなどをトークセッション形式でお話しいただきました。

■エンジニア採用におけるスキルアセスメントという共通課題

西田:本日、トークセッションのモデレーターを務めさせていただきます。株式会社ギブリーの西田と申します。今回は、伊藤様、野呂様のお力をお借りして、皆様に具体的な情報をお届けできればと思います。



まずは、登壇者のお二人が普段どういったお仕事をされて、どういった経歴をお持ちなのか、お二人に自己紹介をいただければと思います。

野呂氏:僕は2015年に大学を卒業して、そのままスタートアップ系の会社で営業を2年半ほど勤めた後にコロプラに転職して、最初はエンジニアの中途採用を担当していました。半年ほどして、新卒採用も受け持つようになり、現在は新卒採用がメインです。

伊藤氏:私は1社目にパーソルキャリアという会社に入社して人材紹介の営業をしていました。その後、人事として、マイクロアドに転職しました。

マイクロアドに転職後は、はじめの2年間が主に新卒採用・中途採用のどちらも担当し、その後、新規事業の立ち上げの責任者を2年しておりました。直近、改めて、人事に戻ったうえで、採用・育成・活性化と、採用後のオンボーディングのところまでの責任者をしています。

西田:お二人の自己紹介にもあったように、人材の採用から育成までを担当されており、特にエンジニア採用に関してはオンラインコードテストツール(以下:コードテスト)を導入されている「導入推進者」ということで、過去の課題感から現在コードテストを導入されてからの状況や、今後の展望などのお話を伺っていきたいと思います。

まずは、今でこそコードテストを両社とも導入されていますが、導入以前の課題感について、事例も踏まえて伺わせてください。まず野呂様ですが、コロプラ社はもともと求人応募者のコーディングスキル確認をしていなかったと伺っていますが、具体的にはどういった内容だったのでしょうか。

野呂氏:当時の採用フローは人事面接、エンジニア面接、役員面接という3回の面接で選考していました。しかし、エンジニア面接で技術力を測るために似たような質問が繰り返されていたので、人事面接時に、アンケート形式で技術問題に回答していただき、その後エンジニア面接にパスする流れを取り入れました。ところが、面接時に回答してもらうので、その間、人事面接官が待っている時間が結構かかっていて、地方の学生へのスカイプ面接時もアンケートフォームのURLを送って、スカイプをつないだまま回答が終わるのを待っている。カンニング対策なので仕方ないとはいえ、けっこう時間がかかっていたんです。またアンケートフォームではプログラミングを書いてもらうような内容までには至らず、結局は知識の確認をして、エンジニア面接につなぐというフローになっていました。

西田:なるほど。それでは、かなりの工数をかけて、つきっきりのような状態で……。

野呂氏:いまでは考えられないですね(笑)。60分のうち40分を面接、20分はただ待っているという非効率なやり方でした 。このやり方で何名も面接させていただくと1日が埋まってしまうこともありました。

西田:工数の負荷というところが大きな課題感になっていたということですね。

野呂氏:アンケート形式の技術問題を導入することで基本的なスクリーニングがなされるので面接するエンジニアにとっては助かったと思いますが、プログラミングを書いてもらってない分充分ではなかったですね。ただアンケートを導入することで、面接時に立ち会い時間はかかるものの、以前よりは人事面接担当者の工数削減に繋がりました。

西田:ちなみに、コード確認をせずに現場に人材が流されていたというお話でしたが、面接官によって見る目線とか基準というのは、統一が図れていたのでしょうか。

野呂氏:1人で面接をやっているスタイルの会社さんもいらっしゃると思うんですが、コロプラではペアで面接官を立てています。メーンの面接官とは別に他の面接官にも出続けてもらうことで、目線や基準を合わせるといった手法を採っていました。今はコードテストを受けてもらってから面接するわけですが、コロプラの選考基準でいうと、コンピュータサイエンスの基礎の部分から見ているケースが多いので、単にコードが綺麗だから採るというわけでもない。そこは、あくまで参考程度に留めるようにはしています。

西田:なるほど。工数負荷だったり、面接官たちの感覚統一といったところが課題としてあったというお話なんですが、これに対してマイクロアドさんのほうは、どういった課題があったんでしょうか。

伊藤氏:けっこうコロプラさんのケースと似ていまして、面接官が良いと言った応募者を、何が良かったのかという指標の標準化は全然できていなかったというのはあります。

西田:事前に伺った話では、GitHubのURLを提出させていたということでしたが。

伊藤氏:そうです。開発未経験者ではなく、既に開発を経験している人が欲しいというのがありまして。大学での研究内容は聞くのですが、それを開発にどう活かしているのかを確認するという意味で「GitHubのアカウントは持っていてほしい」という考えから、提出してもらうようにはしていたんですよ。でも、結局アカウントはあるけど、ぜんぜん使っていないという人が多くて、実際の開発でどんなコードを書くのか分からなかったりしたので、「それはちゃんと見たいね」という話になりました。

西田:なるほど。提出用にGitHubのアカウントを作る人もいらっしゃったとか?

伊藤氏:そうですね。そのような方も見受けられます。そういうことが何度か続いて、これってそもそも学生さんにとっても無駄な時間だし、僕らにとってもそれが見たいわけじゃない。実際の開発スキルをどのように見極めるかを模索していましたね。

西田:本質的なスキルのアセスメントには、まだ遠かったというところでしょうね。そういった意味では、オンラインコードテストの『track』の導入によって課題の解決に繋がったわけですね。

■「コードテスト」を導入したコロプラの選考フローが目指すもの

西田:次のテーマについてお二人に伺っていきます。工数負荷だったり、評価の属人化や本質的なスキルチェックができていないという課題に対して、コードテストを導入されたことで、現在両社はどのような選考フローでエンジニア作用をされているのかを伺いたいと思います。まず、コロプラさんの選考フローをご紹介いただけますか。

野呂氏:コードテストでのスキルチェックだけで優秀な人材を見つけるのは難しいのですが多くの応募者の中から、一定の技術レベルで絞っていくのには適しています。よってコロプラでは選考フローの前半にコードテストを持ってきています。2021年にはエントリーシートさえなくそうと思っています。まずは「とりあえず受けてみよう」というぐらいの気持ちで受けてほしいなと。また、テストで満点を取っても、合格ラインギリギリの点数でも、合格していれば面接の扱いは変えずにしっかりと向き合うようにしています。

また、中にはエンジニアの知人に代わりにテストを受けてもらったりする方もいるかもしれないので、実際のエンジニア面接時には、技術的なことをかなり聞くようにしていて、学生さんからは「コロプラの面接って、めっちゃ聞きますよね。あんなこと聞きます?」って言われます。技術面についてコロプラの水準を満たしているかどうかは、エンジニア面接できっちり見極めることも大事にしています。このように選考の序盤にコードテストを設けることで、面接での合否の精度をより高めていくといった仕組みです。

西田:なるほど。現場エンジニア面接でのスクリーニング精度を上げるために、より事前の段階でポテンシャル層を確保していくという感じですね。ちなみに、その見切りポイントを差し支えない範囲で教えていただきたいのですが。具体的にはどれくらいのレベルの問題を出題して、どれくらいの基準でジャッジされているのですか?

野呂氏:すごく難しい質問ですね(笑)。コロプラの問題の構成は7割ぐらいが基本情報~応用情報のような基礎知識を問うものになっています。問題の残り3割がコーディング試験になります。3割と言っていますが、問題は2問しか用意していなくて、1問が初級レベル。もう1問が、ちょっと難しい問題です。その全体を通して、合格点に到達していれば通過という形にしています。

今はデータのサンプルが少なくて実現できていないですが、各設問と面接合否の相関などを探って、設問ごとに配点の重み付けなどをできればと考えています。今は単純に合計点でしか判断していませんので。

西田:受験者データを活用してより精度の高いスキルーニング基準や設計を探っていくというのは、今後の展望としてやっていきたいというところですね。

野呂氏:まあ、そうですね。ギブリーさん、ご協力よろしくお願いします(笑)。

西田:ぜひ、こちらこそ、ご協力させてください。ちなみにコロプラさんはオリジナル問題を積極的に作っていこうというお話があると伺っているのですが、それは新たなステップとしてお考えになっているということですか。

野呂氏:そうです。新しい問題を作りたいと思っている理由は、コードテストを受ける中でコロプラに魅力を感じてもらいたいということです。面白い問題をコロプラオリジナルとして作りたいなと。コロプラの事業に寄せたゲームっぽい問題や、実務で扱える技術についてなどがわかり、面白そうだと学生に思ってもらえるように、今がんばって作っています。

西田:より魅力的なコロプラ様らしい問題を作ると採用ブランディングという観点でも効いてきますよね。

実は、こういうオリジナル問題は導入企業様と我々で一緒に作らせていただいておりまして、それぞれの会社の個性が出る問題にすることで、応募者への魅力づけに繋がるんですよね。

■マイクロアドは面接を“深堀り”する糸口としてテスト活用

西田:次にマイクロアド様の採用選考フローを具体的にお伺いします。コロプラ様とは違ったコードテストの活用をなさっておられるとか。

伊藤氏:弊社は、BtoBの会社なので、いかに面接を通じて技術に特化した会社なのかを感じてもらえるかを大事にしています。なので、最初に会社の説明や技術に対する思い、カルチャーなどをしっかりとお伝えして、マイクロアドの選考に進みたいと感じていただけた方に、技術スキルを見極めるためのコードテストを受けていただきます。

テストを受けてもらった後、採用委員会メンバーとマネージャーとで一次面接を行いますが、そこではテストでC++で問題を解いている方には競技プログラミングの経験がある面接官をアテンドするとか、Pythonで解いた人にはPythonが好きな面接官を、というようにしています。学生さんのやりたいことに対して、自社内でタイプの近いエンジニアを当てにいくようにしています。

西田:なるほど。コードテストのみで合否を決めるわけではなくて、純粋にソースコードの中身、結果を踏まえて面接に臨んで、より深堀りされているということですね。

伊藤氏:もちろん、スクリーニングの意味合いもありますので、採用委員会を含めた関係者で最低ラインの点数は決めています。

西田:さっきから気になっていたのですが「採用委員会」というのは、どういうメンバーなのでしょうか。

伊藤氏:エンジニア経験のない人事の方には共感していただけると思うのですが、結局のところエンジニア採用に関する具体的なところって、分からない部分も多いと思うんです。そこで、現場エンジニアが主体的に採用に取り組んでもらえるような枠組みを作りたいと思っていました。エンジニアからも「もっと僕らが採用したいんです」という声もあったので、エンジニアの中で5~7人、採用を実務とするチームが組成されました。それが「採用委員会」です。

西田:選考設計から評価までをやっている方々ということですか。

伊藤氏:そうです。採用って、自分たちのチームを作るめちゃくちゃ面白い仕事だと思っているので、現場が主体的に動いて、本当に一緒に働きたい人を採るというプロセスにするのが大事だと思っています。結局、人事が採ってきた人だと思うよりも、自分たちが採った人だから、しっかり育成もしようという方向にもなりますし、良い循環が生まれます。

日々の開発だけじゃなく、なにかしら組織貢献をしたいという人たちを人事サイドからサポートすることによって、組織にも愛着が湧いてくるとも考えています。

■コードテスト導入による具体的な成功事例とは

西田:コロプラ様とマイクロアド様では、それぞれコードテスト導入の経緯だったり、選考基準の設計方法、また取り組み方もそれぞれに違っていらっしゃいますね。

実際、このようにコードテストの導入によって、そこから生み出される成功パターン、事例というのも変わってくると思うんですね。そこで、今回は2社のより具体的な成功事例のエピソードを伺っていきたいと思います。まず、採用プロセスの最初の段階でコードテストを導入して、スクリーニングし、面接の精度を上げていくというコロプラ様には、どういった成功事例があるのでしょうか。

野呂氏:先にも述べましたが、一番は「工数削減」ですね。面接の後に立ち会って、アンケートフォームの回答が終わるまで待っていたんですが、そこの工数削減がかなり大きいです。また、コードテストによってある程度スクリーニングできることでエンジニア面接の通過率も上がりました。これは現場エンジニアへの工数削減ですね。

あとは、人事側の属人的な面接も、多少緩和されたのかなと思います。人事が複数名いるのですが、人によってエンジニアへの理解度はまちまちだったりして、キーワードベースの人もいれば、そのキーワードが何なのかまで理解している人もいたりするので、そこを技術の点数で測ることによって、一定ラインの選考基準ができ上がったのかなと思っています。こうした工数削減は本当に大きいです。

西田:ありがとうございます。ちなみに工数削減が圧倒的にできたということですが、余力のできた工数をなにか別のことに充てるということはありますか。

野呂氏:コロプラは、挑戦というキーワードを大切にしているので、何か新しい取り組みをしたいと考えています。2019年の採用がうまくいったからといって、同じやり方をして2020年に成功するとは限らないので、日々応募経路を新しく開拓してみるとか、新しいインターンシップを企画してみるとか、そういう新たなチャレンジに工数をかけています。

西田:その新しい企画の詳細を聞いてもいいですか?

野呂氏:まだ内緒ですね(笑)。

西田:圧倒的な工数削減は、システマチックにコードテストを行えるというところにあるようですね。一方で、コードテストの中身までしっかり見て、次の面接でそこを深堀りしていく目的で導入されているマイクロアド様の場合は、どんな成功事例のエピソードがあるのでしょうか。

伊藤氏:弊社の場合も工数削減という点では同感です。あとは、人事と現場の採用に携わる人たちの共通言語化ができるというメリットは大きいと考えています。たとえば「この学生はコードテストが100点ですね」というものが事前に擦り合うというのは、面接官を誰にするのか、どんな話をするかとかなど、意思疎通がしやすいんです。面接のフィードバックの際に、共通言語化されていることで「一緒に採用に取り組んでいる意識」が増し、いい効果が出ています。



また、エンジニアは、応募者がどれくらいコードが書けるか、技術を見ることに時間をかけているのですが、面接時にテストでどうしてこのコードを書いたのかということを聞くことができます。その回答が、弊社の考えに合うか、そうでないかが選考に大きく影響を与えるものだと思っているので、率直に話を持っていけるという意味では導入してよかったと思っています。

実際、自分と開発スタンスが似ている人と働きたいとか、自分よりも技術レベルの高い人の話を聞きたいというニーズが学生さんにあると思うので、そこにダイレクトに持っていけるということも、この段階でコードテストをやる理由になっています。

西田:一緒に選考をやっているんだというモチベーションを高く保つためにも、コードテストが一役買っているわけですね。

伊藤氏:実際、オンラインコードテストの『track』をエンジニアに「こんなのがある」と紹介したら、同じタイミングでエンジニアが自らtrackの説明イベントに行っていて、それで「絶対に入れましょう」ってなったんですよ。それも踏まえて、一緒に採用をやっている感じが増して、どの問題を出すかを一緒に検討したり、実際に皆で解いてみたり、そういうひとつひとつが一緒に採用を創っていく、まさにプロジェクトだなと、導入を進めていく中で私も感じました。今までの採用と変わった、新しい風が入ったというのは人事的にも感じるところでした。

西田:それは嬉しいですね。導入されるときに実際、エンジニアの方とはどのような点で問題選定や運用について検討されたんでしょうか。

伊藤氏:問題を見て「ここまでは要らないね」とか、そういうのはあります。社内の研修でももっと活用ができるとも思っています。

西田:コロプラ様も、エンジニアとコードテストの話をされたりしますか。

野呂氏:伊藤さんの話を聞いていて、確かにウチもそれはあるなと。

伊藤氏:一緒に採用をやる感じというのは、すごく良いですよね。

西田:私自身も前職はエンジニア採用に関わっていたのですが、やはり自分自身にエンジニア側とコミュニケーションを取る共通言語がなかったので、どう設計していこうか、採用を盛り上げていこうかというアプローチの方法が全然わからなかったんです。そういうときに、こういうtrackのような共通のプラットフォームというか、一緒にワイワイと設計を作り上げていけるツールがあるとコミュニケーションが取りやすいのでしょうね。

伊藤氏:弊社は人事面談してからコードテストを受けてもらうんですが、人事面談ですごく合うと思った方が、テストでも高得点だったら、迷わずに口説きに行こうという話をしますし、人事面談での印象があまりよくなくてもテストで高得点だと、それはそれでエンジニアが期待するんですよね。結果、コードテストがエンジニアにとってより面接に向き合うきっかけになっていると感じています。



西田:こういう成功事例を聞くと嬉しくなりますね。このようにエンジニアと共通のモチベーションを持って語り合えるリレーション構築ができるという意味でも、コードテストの導入は非常にメリットがあると思います。とは言え、コードテストのスクリーニング精度と、その後の採用における成功には相関性はあるのか。どこにポイントを置いて評価していくのか。これらをしっかり社内で合意形成し選考設計に落とし込んでいくことがコードテストにおいては重要なポイントだと思います。

■コードテストが内定率や承諾率に与える影響は?

西田:次は「スキル選考時に注目する評価ポイント」をお聞かせいただきたいと思います。まずは伊藤様から。コードテストの実際のスコアと、その後の内定率や承諾率には、なにか相関性がありますでしょうか。

伊藤氏:マイクロアドは2つの問題を設けていまして、基礎的な知識を問うものと開発スキルを問うもの。これを同じ比重でチェックしているのですが、注目するポイントは「どの言語を選択しているか」と、「コードをどれだけ綺麗に書くか」という“こだわり”を見ていますね。つまりコードの書き方がマイクロアドっぽいか、自社のエンジニアと一緒にやっていくことができるのかというところを見ています。これまでの実績からスコアが高い人のほうが、内定率も高いですし、弊社でいうと今年、内定承諾して頂けた3名のうち2名がコードテストで満点を取得しています。もう1名も高得点でした。

西田:コードテストのスコアが高い方の承諾率が高いというのは、何か理由がありそうですが、いかがでしょうか。

伊藤氏:やはり高得点の方は技術に対して思い入れが強いので、採用に関してのフィードバックの内容など、ちゃんと自分の技術を評価してくれてるかを気にかけています。我々もコードテストの導入によって定性定量の両軸で評価が出来たので、より良いコミュニケーションが出来た結果だと思います。

西田:カルチャーマッチだけでなく、自身の技術についてしっかり見てくれることで、応募者のほうもマイクロアド様に対して魅力を感じてくれるということでしょうね。

伊藤氏:優秀な学生であればあるほど、他社からも内定が出るというのは当然なので、コードの書き方といった細かいところまできちんと見てケアしないと、なかなか採用できないので、そこは手を抜かずやっています。

西田:野呂様にも伺いたいのですが、評価するポイントだったり、コードテストを導入することで応募者の方から良い感想をもらったりというポジティブな傾向になった事例はありますか。

野呂氏:実際に言われたことはないのですが、たぶんアンケートフォームでやっていた頃って、受けていた人にレガシーな会社だと思われていたと思います(笑)

また、コロプラの特徴として、合格している人が「どの項目の点数が高かったか」を見ているようにしています。理由としては、弊社エンジニアの採用責任者が言うには「新卒エンジニアと言えども、何か強力な武器をひとつ持っていなければ生き抜いていけない」と。



コロプラはまだまだベンチャーな側面があるので、自走する力が求められる場面があります。そのときに強力な武器がひとつ欲しい。そういうこともあって、点数の高い項目があったら、面接ではそこを深掘るようにしています。苦手なところは苦手でいいですが、得意なところは本当に武器として使えるのかを面接官が見ています。

西田:お伺いしていると、2社ともコードテストの導入に成功されていて、こういう人が採りたいという要件に合わせたスキルチェックと、そこからブランディング、魅力づけにコードテストをうまく使われている印象を受けました。カルチャーフィットとコードテストの結果がどちらも高い学生さんであれば、是が非でも欲しい人材だと思うのですが、どちらかだけが高い学生さんは一定数いると思うんです。カルチャーフィットとスキルレベルとのバランスをどう取っているのか、ご意見を伺いたいです。

伊藤氏:カルチャーフィットは必須だと思っているんですが、カルチャーの中に技術を大切する志向が色濃く入っていると思うので、そこをコードテストに頼っているというのはあります。カルチャーフィットはしているが、開発スキルが追いついていない方って、なかなか活躍できるイメージが湧かないし、私たちも0から育成して活躍するところまで持っていけないというのは正直感じている部分でしたので、カルチャーフィットの中にある技術への思いを、どうあぶり出すかを意識しています。

西田:具体的に、どうあぶり出しているかを差し支えなければ教えてください。

伊藤氏:先ほどお話した「なぜこの問題をこの言語で解いたのか」「ここはなぜこう書いたのか」という質問は、その人の考え方が結構出てくるんです。常日頃、どんな開発をしていて、どんな勉強をしているのかの理解につながっていきます。何の言語を選ぶかというのは、その人が出ますね。また、コードの書き方に対する回答で、普段からどんなことを考えているのかがわかります。弊社はBtoBの大規模サービスなんですけど、運用が重要になるサービスなので、運用のしやすさだったり、コードの綺麗さなど、こだわっていかなければならないことが多いんです。流行りの技術がやりたいということよりも、いかに安定した運用ができるコードを綺麗に書けるかということが重要で、これは仕事の中でも大事になってきます。なので、活躍できる人を採りたいというのと、ちゃんとお互いの考えを言えることが面接では大事かなと思っています。

西田:そういう観点で深堀りが大事ということをエンジニアさんとも合意形成を取っているわけですね。

伊藤氏:そうですね。というより、やっていく中で出てきたという感じですね。

西田:回数を重ねて、PDCAを回していく中で、こういう形ができ上がっていったということですね。コロプラ様の場合はどうでしょうか。

野呂氏:スキルとカルチャーフィットはどっちも妥協できないと思っていますので、内定数や入社数をそこまで強く追うことはしていません。なんとなく幅を持たせていて、◯名~◯名くらい採用するという形にしています。なので、人事が数を合わせで妥協することの無いようにしています。

以前までは、僕が営業出身ということもあり、カルチャーフィットがあれば人は伸びると思っていたんです。でも伸びるまでの時間に大きなバグを出してしまったり、それを取り除くコストのほうがよっぽど高く付くということがありました。だから、カルチャーがどんなに合っていても、一定ラインのスキルもないと双方不幸せになってしまうと考えています。

西田:なるほど。スキル面でも現場にマッチした人材を入れるために、即戦力性があるかどうかを選考でしっかり見極めたいということですね。

■今後のエンジニア採用について

伊藤氏:今後というか、最近のエンジニア採用に関しては、新卒と中途があまり関係なくなってきていますよね。

野呂氏:そうですね。ぜんぜん関係ないですね。今までは、即戦力が中途採用でしたが。

西田:新卒でも能力の高い方が多い?

伊藤氏・野呂氏:めちゃくちゃ多いです。

野呂氏:2020年の新卒から個別の年収設定をするようになりました。ただ、これがとても難しい。既存社員とのバランスという問題があるので。

西田:社内のエンジニアとどうバランスを取るか。ハレーションをいかに起こさないかを気にして設計しないといけませんね。他社との比較もありますし。そういった個別の年収設定は、コードテストの結果を見たりするのでしょうか。

野呂氏:コロプラの場合は内定後にアルバイト契約で働いてもらい、その活躍度を反映して決めました。極力その人のスキルに見合った年収提示をできるように努めています。

西田:けっこう実戦力で見てらっしゃるんですね。マイクロアド様はどうですか。

伊藤氏:弊社も高く出すケースはありますね、実際。

金額の大小だけで他社さんと争うことはしたくないですけど、このぐらいは出す用意がありますよというスタンスは見せたいと思っています。「この金額で来てくれ」ではなく、「あなたをこう評価しています」という感じでフェアにやりたいというのはありますね。ということで、特例も用意はしています。

西田:その観点でいくと、コンピュータサイエンス系の学生さんって、学生時代から学んだ技術や知識を積極的にアウトプットしていて、開発もバリバリやっているような方が増えてきていると思うのですが、そういう学生さんに合わせてコードテストのレベル感というのも変えていくというのは考えているのでしょうか。

伊藤氏:そういう会話はするのですが、判断基準が難しくて、いつも頓挫するんですよ。大事にしているのは、単に基準を上げるとかではなく、選考プロセスにおいて、難しい問題を出すことで相手がどう感じるのか。それをしっかり議論して考えるようにしています

西田:野呂様は何かそういう取り組みだったりとか、学生さんのレベル感に応じて何か変えていることはありますか。

野呂氏:問題のレベルを少しずつ上げていきたいのですが、それは、いい学生だけを面接するためということではなく、いい学生がコロプラの問題を受けたときに「この会社、こんな難しい問題を出してくるのか。仕事も楽しいんじゃないかな」とテンションが上がってくれればいいかなと思っています。

学生から、某大手SNS企業の選考について話を聞くことがありますが、「試験を受けたけど、めっちゃ難しかった。けど、めっちゃ面白かった。通る子も全然いないらしいんです」みたいな内容でした。ブランディングという観点では成功例のひとつなのだと思います。

西田:そこまで水準が上がると、それを目的に受ける学生も増えますよね。

本日、ご参加いただいている皆さんもコードテストを導入したい、エンジニア採用をブーストさせていきたいという目的を持って来場されたと思うんです。ぜひ、最後のテーマとして参加者の皆さんにアドバイスというか、熱いメッセージをいただければと思います。

野呂氏:コードテストに限らないと思いますが、導入後にちゃんと自社のフローにフィットさせられるかが重要だと思います。ウチも毎年、問題を組み替えてみたり、選考フローの位置を変えてみたりと試行錯誤しているので、その年の採用が終わったタイミングで技術テストの点数と面接での点数、現場面接の合否、最終面接の合否をデータサイエンスのチームに持っていき、何か見つけてほしいという話をするぐらいです。常に改善し続けることが大事だと思います。

工数削減するだけが目的であればコードテストを導入することで一定の改善はありますが、採用をより良くしていくという意味では、いろいろなことを試してみるのがいいと思います。

西田:トライアンドエラーを繰り返していくことが大事なんですね。伊藤様からもぜひメッセージを。

伊藤氏:人事サイドと開発サイドで、やるべきことを明確にするといったことを、ぜひ取り入れてみるといいのかなと思います。対等に採用を良くするという思いの中で、コードテストみたいなものがあると共通言語にもなりますし、そこから会話も生まれたりしますので、いかに採用を自分事にできるかというところが重要かなと思います。

僕らは、コードテスト導入をきっかけに、採用自体のプロセスを見直そうとか、いろいろな話になりました。なにか共通言語を持てるというのは大事だなと実感しています。

西田:ありがとうございました。

この記事をシェアする

  • Writer
  • AgileHR magazine編集部
  • エンジニアと人事が共に手を取り合ってHRを考える文化を作りたい。その為のきっかけやヒントとなる発信し続けて新しい価値を創出すべく、日々コンテンツづくりに邁進している。

関連記事

Agile HR

# タグから探す

-