2019.01.23

「選考中のユーザー体験」の向上で
エンジニア採用をさらに先へ!

Sansan株式会社が実践する
”Candidate Experience”の設計とは
【AgileHR day #Sprint06】

■Speaker情報

Sansan株式会社
人事部 採用企画チーム チームリーダー 
伊東 敏(いとう・さとし)様

株式会社ギブリー
執行役員
山根 淳平(やまね・じゅんぺい)

■イベントレポート概要

第6回目の開催となる「AgileHR day」。今回はアメリカのTechリクルーティング業界でのトレンドとなっている「選考におけるユーザー体験(Candidate Experience)」をテーマとしたトークセッションを実施しました。スピーカーにはSansan株式会社の伊東敏(いとう・さとし)氏を迎え、同社が実践するCandidate Experienceを重視したエンジニア採用フローの設計について、余すところなくお話いただきました。

■オープニングトーク:選考におけるユーザー体験(Candidate Experience)について

山根:みなさんこんにちは、ギブリーでアジャイルHRの伝道師として活動している山根と申します。私はコンサルティングやエンジニア向けツールの開発を通じてエンジニア採用をより良くしていきたいと考えています。そのためにエンジニアとHRの方々がどう連携をしていけばいいのか、またエンジニアの評価や育成をより良くしていくにはどうすればいいかということを、色々な企業様とトライアンドエラーをしながら取り組んでいます。



今回のAgileHR dayは「選考中のユーザー体験 "Candidate Experience"」をテーマとしています。海外では以前から注目されてきている考え方で、今後、我々も選考におけるユーザー体験を重んじて向上していくことができれば、求職者との向き合い方がより良くなると考えています。私自身もCandidate Experienceという考え方をSansanの伊東さんから吸収しながら皆さんと一緒に学ばせていただこうと思っています。

Candidate Experienceの概念を簡単にお伝えさせていただきます。アメリカのリクルーティング業界でトレンドの概念で、日本語に直訳すると「候補者の体験」とか「選考におけるユーザー体験」と訳せるのですが、候補者とのタッチポイント一つ一つに体験や価値を提供するという考え方を、こういう表現でまとめていると思っています。Google、Airbnb、Uberなどがブログで発信していたり、Candidate Experience Awardsという表彰イベントもあったりして、最近では何かと目にするキーワードですね。

海外だとアトラクトをするタッチポイントから、最終的に入社するまでのロードマップを引いて、会社の魅力をどのように感じてもらうか、どう伝えるか、を中心にプランニングしています。またネットプロモータースコアと言うカスタマーサクセス等でよく使われる顧客満足度調査の指標があるんですけど、選考フローの中で不採用になった方や、内定を出したけど辞退されてしまった方に対して、改善点を定量的に測るツールとして取り入れたりもしています。

Candidate Experienceについて簡単にまとめさせていただきましたが、おそらく今後、日本国内でも定義が明確になってくると思いますし、これからは色んな企業様が求職者に向き合った採用選考を設計していくようになると思います。

■Sansan株式会社 伊東氏とのトークセッション:Sansanが求めるものづくり人材とは

山根:早速トークセッションに移っていきたいと思います。今回はエンジニア採用、特に新卒寄りの話になるんですけども、エンジニア採用の中でかなりCandidate Experienceを考えて設計されている企業であるSansan株式会社の人事、伊東さんにお越しいただきました。まずは簡単に自己紹介をお願いします。

伊東氏:はじめまして、伊東と申します。2013年に大学院を卒業して新卒でSansanに入社しました。元々は営業やマーケティングをやっていたのですが、2015年から人事になり、主に新卒採用を担当しています。人事の仕事で感じていた課題感から、採用企画チームという採用のブランディングやマーケティングを担うチームの立ち上げをほぼ一人でやったり、機械学習系のR&Dにおけるインターンの設計や勉強会の開催などもしています。



山根:営業やマーケティングも経験して、人事で企画も担当されているんですね。

伊東氏:飽き性なんですねきっと。会社から求められてということにしておきましょう(笑)

山根:それでは早速トークセッションを進めていきますが、現状の採用活動における方針や目標についてお聞かせいただけますか?

伊東氏:はい、Sansanは、事業の更なる拡充のために、採用をかなり強化しているフェーズです。直近2年間でビジネスサイドやエンジニアは2倍くらいの人数になっていて、その4割程度がものづくり系のメンバーですね。組織構成の目安として、「社員全体の4割がものづくり系のメンバー」になることを意識しています。

新卒採用においては極端にいうと採れるだけ採ろうと思っています。もちろん限界値はありますしリソースも限られているんですが、新卒のエンジニアについては、最低限何か一つ以上アプリケーションを作ったことがあるくらいの採用基準です。目標としては今はデザイナーなどを含めたものづくり系のメンバーを一年間で15人くらい採用することを目標として置いています。

■ギーク系よりも、技術を活用してどんな価値を作りたいか

山根:エンジニア採用についてなんですが、どんなエンジニアの人を採ろうという方針はありますか?

伊東氏:うちのCTOがよく言ってる話なんですが、技術力を上げたいギークっぽい人はあまり採用していません。それよりも技術を使ってどういう価値を作りたいか、どういうインパクトや影響を与えたいかという志向を持っている人を採用しています。

山根:技術が好きでのめり込む人よりは、ビジネスまで含めて考えられる人、事業にどう貢献できるかを考えられる人ということですね。

伊東氏:そうです。もちろん、大きなインパクトを残すために、技術力をつけなければならないということもあるでしょうから、「何のための技術なのか」を考えられているかどうかを重要視しています。

■面接を構造化し、見極め項目を標準化する

山根:ありがとうございます。次の話に移りますが、選考プロセスについてもお聞かせいただけますか?

伊東氏:実際の選考プロセスについてはそんなにもの珍しいものはないかなと思います。一次面接、マネージャー面接、最終面接が面接と言われるものですね。一つ前にカジュアル面談を設けているんですが、これが結構多いかなと思います。うちはダイレクトリクルーティングが多くて、スカウトサービスを使ってやっていて、それが採用の半分ぐらいを占めています。なので「お話聞きに来ませんか」とスカウトを送ってカジュアルに面談することが多いですね。稀にカジュアル面談で凄い方が来ると選考をスキップすることもあります。



山根:見極め項目についてはどういったものを作られていますか?

伊東氏:今年の春ぐらいから採用を強化しようとし始めた時に、採用の基準が合っていないと感じていました。今までは勘と経験に頼った採用していて、勘と経験をすべて否定するつもりはないんですが、採用基準の見直しをやってみようという話になりました。やったこととして、既存の社員全員にアセスメントを受けてもらい、それを参考にして採用基準を作りました。

今は色々と試験段階なんですけど、例えば一次面接時にA〜Eの選考項目があったとしたらAとCは必須で確認してもらい、それ以外については評価できなかった場合には申し送りにしてもらったりしています。質問項目を縛りすぎると面接官もやりにくくなるので、質問項目までは固めてはないんですけど、例えばコミュニケーション能力を確認するためにはどんな内容の質問をして、どんなアンサーなら良いといった様なノウハウは共有してますが、基本的には面接官に任せています。

山根:面接はある意味誰でもできるようにしていくように今後なっていくということですか。

伊東氏:そうですね。将来的にはそうしようとしています。

■内定を辞退した学生から聞き出した、自社の採用課題

山根:エンジニア採用を行う上でCandidate Experienceを考えるようになった根本課題などはありますか?

伊東氏:採用を強化していくに当たって、特に新卒の学生だと競合となる会社がかなり強敵になってきていて、結論を言うと内定承諾率が下がったと言うのが一番の課題でした。19卒については例年の承諾率の半分近くまで下がりました。前年に比べ3倍の内定数を出しているのに、承諾数は2倍しか増えていない状況で、圧倒的に辞退率が上がったという結果になったんです。

山根:何が問題だったのかは感覚的に人事部内で共有されていたんですか?

伊東氏:僕らの会社やサービスそのものが学生からするとイメージしづらいんじゃないかというのもありましたし、競合がtoCの会社さんが多くて、そちらの方が身近に感じるんじゃないかと色々仮説は出ていました。

山根:その問題を解決するために何から始めたんですか?



伊東氏:まず辞退した人たちに話を聞こうぜって話になりましたね。僕らとしては「欲しい」というラブレターを出したけどフラれた訳なので、その人に「なんで僕フラれたんですか?」って聞くところから始めました。7、8人に僕が話を聞くことになって、Facebookで連絡したり、選考中の連絡先にメールしたりしましたね。

19卒の時、僕はマーケティング寄りのことに注力しており、リクルーターとして学生に接する機会は多くなかったんです。なので幸いにもその人たちをあまり知らなかったんです。なので「Sansanの採用ブランディングを担当してる者なんですけど、なんで辞退に至ったのか教えてくれませんか?」って感じで、ざっくばらんに聞いていったって感じです。

山根:その目的をそのまま伝えた感じですか?

伊東氏:もうそのまま伝えました。いくらでもディスってくれと(笑)「選考中はぶっちゃけ言えなかったこととかあるでしょ?それを言ってもらうことが僕らにとってめちゃくちゃ価値あることだから是非聞きたい」と。そうやって僕らに足りないもを探ることから始めました。

■技術者としての情報発信とコミュニケーションの重要性

山根:実際にインタビューされた結果はいかがでした?

伊東氏:そうですね、選考前、選考中、選考後に分けてそれぞれのGood & Badについて答えてもらいました。Goodな部分で言うと「人がいい」などが多く、人の良さが際立っていた、リクルーターがすごく丁寧だった、面接官からのフィードバックも良かった、などの意見は皆さんから言っていただきました。Badはほとんど同じで、ミッションの訴求が強すぎでエンジニアとしての技術に関する評価やコミュニケーションがあまり無いということでした。

山根:面接の中で技術に対するヒアリングやアピールの機会が少なかったのでしょうか?

伊東氏:属人化してたって感じですね。担当者によって質問内容がバラバラで、志向性ばかり聞かれて、技術者として評価されてるんだろうか?って疑問に感じたという感想が多かったです。そこがさっきの構造化に繋がるんですけど、 もう一つは、うちにはテックブログなどが無く、Sansanがどの様に技術に向き合ってるのかとか、どんなことをやってる集団なのかの発信が少なく、ブラックボックス化されてますよねとか、結構痛烈なことを言われました。



山根:ギークな人には御社の魅力を感じにくいってことでしょうか?

伊東氏:ストレートに言われましたね。それはそうだなと。全体的に評価のコメント内容は近かったので、非常に良い気づきになりました。

山根:こう言ったヒアリングを行う際に、気をつけるポイントなど手法的なアドバイスはありますか?

伊東氏:まずGoodのコメントにもあった通り、僕らは人間性を大切にしてきたことが学生の方に伝わっていたので、「なんで忙しい中Sansanの悪口を言う時間を作ってくれたんですか?」と聞くと、ほとんどの方が「選考中にお世話になったんで何か力になれれば」と言ってくれました。そういう関係性を作っていくことは非常に大事です。内定を出した人や特定の人だけを大切にするんじゃなくて、選考に落ちた人も含めてフォローをしっかりするということが当たり前になってないと難しいと思います。

山根:ちなみにこれは伊東さんが選考に関わられて無いからできたことですか?それとも選考に関わった人でも聞き出せるものでしょうか?

伊東氏:その人次第じゃないですかね(笑)まあできると思います。僕らとしてはリクルーターの接し方に対する評価も知りたかったので。「ぶっちゃけ人事の誰々さんどうだった?」なども知りたかったですし、でも、理想としては分けた方がいいかと思います。



山根:すごく興味本意なんですけど、意見を元にリクルーターにフィードバックをしたり改善に繋げたりしたんですか?

伊東氏:したんですけど、幸いにもリクルーターに対して悪く言う人はいなかったですね。「ちょっと熱過ぎました」とか(笑)それはその人の強みでもあるので、気にし過ぎない程度にフィードバックはしました。

■選考におけるカスタマージャーニーの設計

山根:今回、選考中のユーザー体験“Candidate Experience”がテーマですが、それをヒアリングからどう改善に繋げていったのかをお伺いできればと思うんですけど。

伊東氏:まず選考段階と志望度の変化についてご説明しますと、色々ヒアリングしていった結果、最初は知名度も志望度も緩やかな感じで、イベントなどでミッションの話をすると志望度がグーンと上がるんです。「名刺管理だけじゃないんですね、めちゃくちゃ面白そうですね!」と言われるんですよ。これは僕らの人の強みやミッションの強みだと思っています。ただ選考していく過程において志望度を上げていく施策とかナーチャリングが弱くて、その間に他社に抜かれているというのが分かりました。最初のイベント時は一番行きたい会社と言ってくれるのに、だんだん下がってしまう感じがありまして。。。

例えばさっきのBadの意見にもあったように、技術に対する考えがブラックボックス化しているって話もあったとおり、技術系の情報発信の中でSansanをアピールするものは全然なかったんですよね。エンジニアの学生が就活中に技術について調べると、技術だけでは無く会社のことも意識しだすわけです。テックブログを調べていると有名企業のエンジニアさんの記事がいつも出てくる。「こんなすごい人がこの会社にいるんだ!この会社面白そう」となってくるので、やっぱりテックブログやらなきゃいけないということをCTOにも言って、開設しました。

山根:HR側から熱量を持ってCTOたちに働きかけて、テックブログの開設まで至ったんですね。

伊東氏:そうですね。ちょうど、CTOも同様の課題は感じて少し動いていたこともあり、タイミングが良かったです。ただSansanには、エンジニア以外にもものづくりに関わるメンバーがたくさんいるので、最終的には「テックブログ」と括らず、ものづくりに関わるメンバーの情報発信を行うブログと整理しました。あとはカンファレンスを開催したりもしました。さっきの構造化面接に近いんですが、いわゆるカスタマージャーニーに当てはめる感じで、どの選考プロセスでどういうことを訴求する必要があるのか、ということを今設計しているところです。

■HRからエンジニアに働きかけて実現した技術力のアピール施策

伊東氏:施策としてはカンファレンスとして「Sansan Builders Box」を開催しています。そもそも何故いままでブログやカンファレンスをやってなかったかというと、これまでは、何よりもまずプロダクト開発の本業に向き合うことが重要だったということがあります。まずは事業を成長させなければならなかったためです。しかし、事業の拡大に伴って、より採用を加速させていくことが重要となった今、採用活動を行なっていく上で技術に関する対外的な情報発信をする必要性も高くなり、社内にも執筆活動をしてたりする優秀なエンジニアも多いので、アピールした方がいいんじゃないかということでブログとカンファレンスをはじめました。



このBuilders Boxは表参道ヒルズで開催し、約200名くらいご来場いただきました。Sansanのアプリケーションエンジニアやデザイナー、研究開発系とか、ものづくりに関わる者が登壇してSansanではどんなことをやって、どんな考え方を持っていて、どんなエンジニアリング組織を作っていくかといった内容の情報発信をしたカンファレンスで、メディアにも取り上げていただき、Sansanのものづくりに対する意思や情報をアピールしました。

あとはブログですね。これもできたばっかりなんですがSansanの中にいるエンジニアやものづくり系の人がどんなことを考えていてどういう技術を使っているかなどを出せる範囲でですが発信しています。

山根:ブログってとりあえず立ち上げても全然運用されないことも多いかと思うんですが、最初の目的とユーザーの求めているものが紐づいていると、エンジニアも熱量を持ってやってもらえそうですね。

伊東氏:僕はブログの編集担当もやっていて、元々エンジニアブログや広報ブログ、営業ブログなど色々あったんです。でもそれぞれ誰がオーナーシップを持ってるか明確でなく宙ぶらりんな状態で、開いてみたら最新の記事が1年前って状態もあったんです。これじゃあメディアとしてしょぼ過ぎるってなって統合しました。なので会社として出しているブログはこの1個にしようと。色んな人が書いていってそこで色んな情報が見られるようにしようとなったんですね。そこに研究開発系の記事も一部載せてたんですけど、会社のエンジニアから「会社のオフィシャルブログじゃなく、専用のブログでやりたい」って声が出てきたので、「やるんだったら絶対書いてくださいね」ってなって、そのタイミングでCTOが就任したので、CTOに責任を持ってマネジメントしてもらって、更新頻度が低い印象は絶対に与えないようにしましょうって話を何ヶ月にも渡ってして開設したので、もう逃れられないですね(笑)

山根:ちなみにこれらの取り組み、特にブログの管轄は、HRと現場エンジニアのどちらでしょうか?

伊東氏:完全に後者ですね。そこの住み分けもちゃんとしようというのは各編集委員の人たちとも徹底的に話しをしました。例えば記事の中に「こんな私たちと一緒に働きませんか」みたいなことは極力入れないようにしています。とにかくものづくり対する考え方ややっていることを発信する場だからHR的な要素は一切入れないっていうことを共通認識としてすり合わせをしています。



山根:エンジニアとHRが密にコミュニケーションを取れる環境を作ってないとこういうのは立ち上がらないですよね。

伊東氏:そうですね。なので週次や月次のミーティングで「このブログはどういう目的で作られてるのか」ということを徹底的に議論しています。Sansanはオフィシャルのブログとものづくりメンバーのブログと、あとEightっていうサービスが運用しているブログがあるんですけど、それぞれ対象としてるユーザーは誰で、ブログを見たユーザーがどんな状態になってもらいのかという目的の認識合わせを、オフィシャルのブログの担当者と僕とCTOで定期的にしていく予定です。

■データドリブンで採用と入社後の活躍の循環を生む

山根:今後選考中のユーザー体験、Candidate Experienceを向上させていく上で取り組みたいことがあればぜひ伺いたいのですが。

伊東氏:個人的にはピープルアナリティクスという人事データを分析することに興味があります。いかに自分たちが採用したいと思える人に出会えるかを効率的にアクションしていきたいと思って色んなことをやってます。例えばダイレクトリクルーティングをやった時に、そのダイレクトリクルーティングのサービスの通過率を全部数字で出していて、どれが一番効果的に当てられているか、どの職種が一番そのサービスから採れるのか、などを分析しています。データドリブンのところを強化していきたいですね。

山根:採用をデータドリブンにしていくということですね。

伊東氏:はい、それをやらないと人事が疲弊していくというか。今中途を含めて50ポジションくらい常時空いていて、状況は日々変化するので、歩留まりを良くする必要があり、それにはある程度、データの力が必要です。まあ、全部は解決できませんが、データを活用することは引き続き取り組んでいこうと思っています。

山根:入社後の評価にピープルアナリティクスを行うことはあると思いますが、採用の中でピープルアナリティクスを活用するというのは、まだ少ないかもしれませんね。

伊東氏:理想としては、人が活躍してるかという状態と、それを採用に生かして循環しているイメージで、僕はいつも円を描いて説明するんです。内部の人を活かす採用手法や、どうやると効率が変わるかなど、片手間ですが、色々な要素の結び付きを分析したりしています。



山根:なるほど、一般的に採用担当というと、採用戦略やチャネルを設計してあとは採用するっていうことが基本ミッションになりがちじゃないですか。そんな中でデータドリブンな採用チームを作るのは結構難しいと思うんですよ。チームを立ち上げたり、それを認めてもらう文化作りなどってどのように推進されているのですか?

伊東氏:Sansanに関しては、完全に僕自身の興味から始まって推進してきましたが、普通は社内にデータの力が必要という考えを持ったり、興味を持って好きになれる人が居るか否かによって結構違うと思います。やらなきゃいけないってなっちゃうと結構辛いと思うんですよ。人事として人と向き合うんじゃなくてデータに向き合って、これがどう結びつくのかを模索しながらやっていくので。

山根:データから価値が生まれるかどうかもわからないですもんね。

伊東氏:全然わからないですね。中長期的になっていくので、没頭できる人や探究心のある人が1人いないと続かない気がします。探究心は結構重要なんじゃないかなと思います。

山根:そういう志向を持っている方が社内にいるとデータドリブンなチームも立ち上げやすいかもしれませんね。

■優先順位を決め、アジャイルに取り組む

山根:最後に、これからCandidate Experienceを意識した選考設計をされる企業様にアドバイスがあればぜひいただけますか。

伊東氏:はい、こういうことをしたらいいんじゃないかな?って思い浮かぶことはすごく大事だと思うので、アイデアが湧いたら、すぐ実行すべきだと思いますが、優先順位づけは正直難しですよね。
僕らがやったのは、まずは候補者とか学生といったターゲットにヒアリングすることが最優先かと思っています。その中で見えてきた課題を順番に対応していく。あれもこれもやるのは正解ではないと思うんです。全部やれないですし、優先順位を付けるには本当にそれが対象者に対して良いのかどうかで決めるのがいいんじゃないかなと思います。

そこで1個でも2個でもやれることが出てくると、考えの幅が広がってくるんじゃないかと思ういます。まず1個確証めいたものを作り、Candidate Experienceの重要性を関係者が少しでも感じられれば、広がっていくんじゃないかなと思います。まず1個やる、すぐに。それこそアジャイルっぽく、ということだと思います。

山根:ありがとうございました。なんでも行動することは重要ですよね。皆さんも是非試してみてはいかがでしょうか?

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  • Writer
  • AgileHR magazine編集部
  • エンジニアと人事が共に手を取り合ってHRを考える文化を作りたい。その為のきっかけやヒントとなる発信し続けて新しい価値を創出すべく、日々コンテンツづくりに邁進している。

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