2019.02.20

全社員がプログラミングができる
「フューチャーアーキテクト」の
エンジニア採用フロー

高いプログラミングスキルを持つ人材を
引きつける「コード選考」とは?
【Special Interview #01】

Introduction

テクノロジーをベースとしたビジネスを展開するフューチャーグループ。今回は、グループの中核企業としてITコンサルティング事業を牽引しているフューチャーアーキテクト株式会社様に、同社の新卒採用における選考フローで特徴的な「(※1)コード選考」について、その目的や成果などを中心に伺いました。
(※1)「コード選考」とは:プログラムのコーディング試験による採用選考の略称。

HRグループ
チーフ
盛岡 美菜(もりおか・みな)様

2002年新卒入社。ITコンサルタント、PRを経てHRグループにて採用チームを率いる。フューチャー株式会社にてグループ人材戦略、グループマーケティングも兼任。

Strategic AI Group
シニアアーキテクト
加藤 究(かとう・きわむ)様

2002年新卒入社。R&D関連部署でのキャリアを経て、2018年よりフューチャー株式会社 Strategic AI Groupにてテクノロジーリーダーを務める。

■採用担当になられた経緯を含めて自己紹介をお願いします

盛岡氏:入社後はITコンサルタントとして複数プロジェクトを担当していました。当時から採用に関わる機会が多かったのですが、合同説明会などの採用イベントに参加した際に、弊社に対する学生の認知が低いことを目の当たりにし、もっと自社のことを知ってもらえるにはどうすればよいかと考えるようになりました。その後自らキャリアチェンジを希望し、PR関連の部署を1年ほど経験しました。ちょうど新卒採用チームの体制が変わるタイミングが同時期にあり、会長から「新卒採用をやってほしい」とのミッションを受け担当することになったのが最初のきっかけでした。これまで課題に感じていた採用広報に関われるチャンスだと思いました。

加藤氏:私は、新卒入社後から一貫してR&D部署に所属していました。弊社のR&D部署は、お客様とのプロジェクトにおいて、提供するシステム全体のアーキテクチャー設計やコアとなるフレームワークを開発します。技術でプロジェクトを牽引していくことがミッションでしたので、先端技術を学びつつ様々な案件に技術的な観点で関わっていきました。現在は、昨年新設されたAI案件に特化したグループでテックリードとして従事しています。弊社の場合、人事だけでなく現場の社員が採用活動に積極的に協力しているので、私も採用活動をするのは自然な流れでした。3年ほど前、技術に強みのある学生を積極採用していくという方針が明確になってからは、エンジニアを志望する学生向けの採用企画から面接まで全般的に関わっています。

■エンジニア志向の学生に特化した「スーパーエンジニア選考」

盛岡氏:弊社は全社員が技術を理解しプログラミングができるITコンサルタントなので、採用時も「ITコンサルタント」という職種のみで募集をしています。これまでは採用フローを1つしか設けていなかったので、興味の先がコンサルであってもエンジニアであっても、同じフローで選考をしていました。そのため、エンジニア志向の方やプログラミング経験のある人材が集まりにくい状況でした。そこで、3年ほど前から、「スーパーエンジニア選考」という新たな採用フローをつくり、エンジニア志向の方に受けてもらいやすい環境づくりを始めました。

加藤氏:「スーパーエンジニア選考」を設けたことで、プログラミング経験者や技術への興味が強い学生からの応募は徐々に増えていきましたね。エンジニアとして技術を極めたいという学生もいれば、プログラミングスキルを生かしてコンサルティングをしたいという学生もいます。入社後にやりたいことや志向は様々なので、採用フローと入社後の配属をあえて固定化せずに、あくまで学生の志向や希望に応じて柔軟に配属を決めるようにしています。

■新卒に“プログラミングスキル”を求める理由

加藤氏:お客様の経営課題を解決するために、戦略立案からシステム構築、その後の運用保守まで責任を持って一気通貫でやり遂げるスタイルが弊社の特徴です。そのため、ITに深い知見を持ったコンサルタントを育てるべく、新入社員全員が研修の中でITの原理原則を学び、プログラミングスキルを身に着けます。学生時代にプログラミング経験がなくとも入社後のトレーニングによって成長ができそうな適性のある方は採用していますが、やはり、より質の高いITコンサルタントを育てるために、新卒入社時に高いレベルのプログラミングスキルを持っている方を積極採用しています。

盛岡氏:多くのITコンサル企業では、戦略立案を「上流」、開発を「下流」と呼んでいますが、弊社では「前工程」「後工程」と呼んでいます。なぜなら私たちの仕事では全ての工程が重要であり、上や下という区別はないからです。シリコンバレーでは技術力のある若者が起業し経営をするのは当たり前ですが、弊社も同じように高い技術力を持った方が活躍できる土壌がありますし、また、技術とビジネスの知識は両輪で必要だと考えています。

■選考時に、プログラミングスキルを純粋に測りたい

盛岡氏:「スーパーエンジニア選考」を始めたばかりの頃は、応募者に研究内容やこれまで作った作品などを見ながら面接をしていたのですが、それではプログラミングスキルを見極めることは難しく、どういう基準でスーパーエンジニアと判断するかが悩ましい課題でした。

加藤氏:GitHub上の作品を見てもその方がどれくらい時間をかけたのか、どれくらいの想いを持って作ったのかを確認するには、やはり口頭ベースになってしまっていて、定量的に評価できていませんでした。書いたコードもまちまち過ぎて比較が難しいという課題もありました。面接官によってはGitHub上のソースコードのレビューや、ホワイトボードコーディングを実施しているケースもありましたが、コードを見るかどうかは各面接官に委ねている状況でした。

盛岡氏:やはり純粋にプログラミングスキルを測れる選考がしたいと思い、2019年卒採用から(※2)trackの導入を決め「コード選考」を始めました。難易度の違う問題を数パターン用意しているので、どの問題が解けたかでスキルレベルが判定できるようになりました。高度な問題が解けている場合は、加藤がソースコードをチェックしています。
(※2)「track」とは:オンラインテストによってプログラミングスキルを定量的に可視化できるツール

■コードを活用した選考でのチェックポイント

加藤氏:まずはしっかりコードが書けているかを重要視しています。どんな言語で、どれくらいシンプルに、冗長な記述なく書けているのかを見ています。trackにはどのように考えてロジックを組み立てたかを記述する欄があるので、考え方についても確認しています。
発想ができていて、尚且つ実装までできればベストなのですが、発想はできているけど時間が足りず実装は完了していない、もしくはケアレスミスをしている場合もあるので、発想と実装の両面から見ています。また、trackでは明確にスコアが出るので問題をクリアしているか、(シークレットケース含めて)テストケースを通過しているかは可視化できてわかりやすいですね。

■コード選考によって、我々が「技術力を求めている」ことが学生に伝わり、エントリー数が向上

加藤氏:以前は、応募者が作ったモノや研究内容などによって、専門領域の近しい面接官をアサインするという方法を取っていました。それはそれで悪くはなかったと思うのですが、trackを活用するとコードを書く能力や発想力を一定の基準で評価できるので、より応募者にマッチした面接官をアサインできるようになったことですね。
近年の売り手市場で優秀な学生がどこからでも内定をもらって選べる中で、学生を引きつける力がある面接官を適切にアサインする必要があると感じていたので、凄く価値ある変化でした。

盛岡氏:一番大きな変化は、選考に進んでくれる学生が目に見えて増えたことです。「コード選考」を打ち出したことで、プログラミングができる人材を求めている会社だと認知してもらえたと思います。これまでは弊社がアプローチできていなかった層、例えばロボコン出場者や競技プログラミングに積極的に参加しているような学生にも興味を持ってもらえるようになりました。予想を大幅に上回るエントリーがあったのには非常に驚きましたね。最近では、理系の学生だけでなく文系の学生も独学でプログラミングを勉強している方が増えているのもtrack導入でわかったことです。弊社のコード選考は、プログラミングテストで失敗しても他の選考に切り替えて再チャレンジできるようにしているので、文系の方も力試しとしてコード選考を受けてくださることもありますね。

■今後はコード選考を通じて、技術力+αを測っていきたい

加藤氏:高度な技術力を見極める内容の他に、より発想力を測れる問題があるといいですね。思考力と実装力という二段階で評価できる問題を取り入れていきたいです。

盛岡氏:コード選考に限らず通常の選考でもIT適性を確認できるといいですね。面接や能力テストだけでは、IT未経験の方にIT適性があるかどうかまでは正直わかりません。trackの問題を解いてもらってIT適性が判断できれば、企業と学生の双方にとってよりよい選択ができるのではないかと思います。

■エンジニア経験のある人事だからこそできる採用活動

盛岡氏:学生の技術的な強みや関心のある分野、自社のどういう領域で活躍できそうかやどのような社員とマッチしそうかなどがイメージしやすいですね。
弊社では、AI教育を全社的に進めているのですが、採用担当者ももちろん研修を受けています。AIや機械学習を学んでいる学生も多いので、そういった学生を採用するために人事側もスキルを身に着けておく必要があると考えています。

ありがとうございました。

コード選考は、単に応募者のプログラミングスキルをチェックするだけではなく、技術力を求める企業と、技術力を発揮したい学生とのマッチングに効果を発揮しているようです。 高い技術力を求める採用を推進するフューチャーアーキテクト社は、今後も技術力を求めつつも、「ITコンサルタント」職に重要な発想力や適正も定量的に測って、より質の高いサービスを提供し続けてくださると確信しました。

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  • Writer
  • AgileHR magazine編集部
  • エンジニアと人事が共に手を取り合ってHRを考える文化を作りたい。その為のきっかけやヒントとなる発信し続けて新しい価値を創出すべく、日々コンテンツづくりに邁進している。

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