導入事例

株式会社日本オーエー研究所

中途未経験の採用でも数ヶ月で現場活躍。
Track Testによるスキルの数値化で、採用と研修がシームレスに。

  • Track Test
  • スキルアセスメント
  • 育成・研修
  • 採用スクリーニング

激化するITエンジニア採用市場において、同社はIT業界の未経験者採用を強化することにした。しかし、過去に行っていた未経験者採用のプロセスでは、配属後、新人がなかなか現場で活躍できないケースが生じることに頭を悩ませていた。しかしそこで、抜本的な対策として、採用・研修ともに一貫してTrack Testを活用する改革を決断。未経験ながら活躍できる素養を持つ人材の見極めと育成に成功。社内では数値指標で人材を測る意識も定着した。

  • 課題
    採用段階でポテンシャルを測る数値指標がなく、 研修での育成状態も主観的。 現場からは不満の声。
  • 解決策
    採用選考と研修の各カリキュラム後にTrack Testでテストを実施。
    1対1でフィードバックを繰り返し、正しいコードが書けるまで伴走。
  • 成果
    主観ではなく「共通の物差し」で評価することで、 現場で活躍する人材を取りこぼさず採用。
    Track Testによるスキルの数値化で、引き出すポテンシャルを最大化。

課題

採用段階でポテンシャルを測る数値指標がなく、 研修での育成状態も主観的。 現場からは不満の声。

久田:当社は創業当初から社会を支えるシステム開発を行ってきました。中核となる事業は官公庁をはじめとする公共系分野のシステム開発で、要件定義・基本設計などの上流工程から開発・運用・保守に至る広範な業務を行っています。技術的な知識だけでは太刀打ちできず、法令や行政に基づく複雑な業務仕様を理解する適応力や柔軟性も必要となります。

ご存じの通り、採用市場は年々厳しさを増しています。特に経験者の採用は難しい。それならば、中途人材の中でも異業種から「ポテンシャルを秘めたIT未経験人材」を受け入れて、技術的な基礎知識は配属前研修で担保し、配属後には、仕様理解などを上司や先輩がサポートし、一人前のエンジニアとして育てようと、近年は未経験者の中途採用に注力してきました。

未経験から数ヶ月で現場に対応できる人材に必要なのは、ITへの興味と向上心、そして一定の責任感です。未経験のエンジニアとして現場に出るわけですから、分からない場面には必ず遭遇することになるでしょう。そんなとき、知らないからといって投げ出さずに「自ら調べて対応しよう」と行動できる姿勢が大切になります。

ただ、こうした姿勢を持った人材をどう見極めたらいいのかわからないというのが、当社採用の大きな課題でした。

“書類審査の職歴、性格適性テスト、そういったところから見極めようとしましたが、本当に知りたい「現場で活躍できる素地があるのか」という本質はやはり見えませんでした。”

これまでの未経験者の採用プロセスでは、現場配属後に「教えてもらってないのでわかりません」とか「これは知らないのでどうしたら良いかわかりません」という発言が頻発するといったケースがしばしばありました。もちろん、現場側も未経験者であることは理解しています。ですが、日々業務に追われる中で「このレベルからの教育まで行わなければならないのか…」という負担感は隠しきれず、不満の声は少しずつ表面化してきていました。

これは採用だけではなく、配属前研修に問題があることの現れでもありました。プログラミングの考え方とコーディングの基礎、ITエンジニアの基本姿勢を身につけさせようと、e-ラーニングや外部研修は行っていましたが、研修での到達度を確認する術はなく、「やる気がありそうだから大丈夫」「地頭が良さそうだから大丈夫」といった主観的であいまいな評価しかできていませんでした。

こうした課題にくさびを打つため、中途採用の選考と研修を抜本的に変える企画案を作りはじめました。目指したのは「採用で人物を見極め、研修では到達度を測りながら進められるフロー」の構築です。これにフィットするツールを探す中で候補に挙がったのがTrack Testでした。

採用試験導入の狙いは、回答例が普及していて対策可能な一般的な適性試験だけではなく、ITエンジニアの知識を問う問題を未経験者と知りながらも解いてもらうことで未知の課題と出会う場面を作り出そうという点にありました。

“Track Testでなら解答の成否だけでなく、プロセスの傾向を見ることもできます。これにより未知の課題と遭遇したときに「面倒だから」と投げ出さずに取り組んでいる人を見つけだすことができるのでは、と考えたんです”

研修への導入の狙いは、e-ラーニングの到達度チェックとそれをもとにした細やかな個別指導体制の確立です。到達度はやはりテストを通してでないと測れない部分があります。それに、知識・技能の定着にはアウトプットが役立つと考えたのです。

もちろん、導入検討時の社内トライアルでは反対意見も挙がりました。「現場の業務と直結するかわからない部分を評価して意味はあるのか」「今あるやり方を無理に変える必要はあるのか」という疑問の声です。

しかし、経験者の中途採用が苦戦する中でより良い人材を確保していくためには、この未経験の中途採用・育成フローを改善していく方法しかないと、半ば押し切るような形で決断しました。

解決策

採用選考と研修の各カリキュラム後にTrack Testでテストを実施。
1対1でフィードバックを繰り返し、正しいコードが書けるまで伴走。

久田:採用時のTrack Testの問題は、ITリテラシーや専門用語を問うクイズ形式のものを初級の問題プールから選び、難易度順に並べて出題しました。ボーダーラインは7割に設定。これにより、知らない言葉にどう反応するのか、調べて食らいつき解答できているかを点数で確認できることはもちろん、中には、おそらく考えることを放棄して「終盤の問題でAばかり選んでいる」などの特徴も見えるようになりました。

さらに、最終面接では結果をもとにフィードバックを行いました。テスト結果があるおかげで面接の質問も今までより焦点化できるようになり、「これ、知っている言葉だった?」などと問うことで点数以上に知りたい人間性に触れられるようになったんです。

ただ、こうした採用や研修の改革は「受け手がどう感じたか」が重要です。ですから、ここからはフロー変更後の入社1期生の重原に話してもらおうと思います。

“応募側としても受けっぱなしではなく、面接の中で丁寧な試験のフィードバックと振り返りをしてもらえたのは好印象でした。点数でなく、中身を見てくれている実感につながりました。”

重原:IT業界へ転職したいと思ってはいましたが、業界内の「未経験でも研修をほぼ受けていないような状態で現場に配属されるケースが多い」という噂に不安を感じてもいました。しかし、こうした選考中の印象が「説明通り研修も丁寧にしてもらえそうだ」という気持ちにつながり、入社を決断することができました。

研修期間には定着度を測るためにTrack Testを2度ほど受ける機会が設けられていました。1度目はe-ラーニングでHTMLの知識、SQLの実装、Javaのコーディングなどを学んだあと。2度目は1ヶ月のJavaのプログラミング演習後です。これらの定着度テストでは成長の手応えを感じたことを覚えています。

入社試験のときは知識問題も「聞いたことあるけど…」ぐらいの理解だったものが、「わかるようになってる!」と感じられるようになり、最後はJUnitの問題も混ざる難易度の高い問題に取り組めるまでになっていました。

いずれの回でも解けなかった問題に対して1on1でサポートを受けられたのも大きかったです。Track Testで入力したコードを見てもらえるので、レビューも丁寧にしてもらうことができ、正しいコードの習得ができていると自信になりました。

“未経験から現場に出るのはやはり不安です。でも、研修を通じて自分の到達度が正確にわかっていることが安心感につながりましたね。”

現在は初配属で貿易物流システムの開発に携わることになり、3ヶ月が経ちました。配属当初は不安ももちろんありましたが、「飛び交っている言葉がわからない」という状態にはならず、なんとか現場についていくことができました。

成果

主観ではなく「共通の物差し」で評価することで、 現場で活躍する人材を取りこぼさず採用。
Track Testによるスキルの数値化で、引き出すポテンシャルを最大化。

久田:今年の中途採用の目標であった10人は無事達成しました。しかも、私たちの求める姿勢を測るテストを通過した人材なので、入社時から意欲も自己研鑽への意識も高い。質は確実に上がっていて、1~2年の業務経験を持つ経験者と遜色ないレベルにまで引き上げられている手ごたえを感じています。

Track Testを通過してきた世代である彼らが現場に食らいつき、着実に成果を挙げていってくれているおかげで社内にも良い影響が波及しています。「Track Testの結果どうだったの?」「今あの子はどのぐらいまでできるようになってる?」と、主観だけではなく、まずは数値という共通の物差しで状態を確認する意識が社内で徐々に定着しつつあります。

“実は、彼女は採用するかどうか意見が割れたんです。でも、Track Testの得点は他の合格者と同じレベル。ならばと採用を決断すると、入社後はメキメキと力をつけてくれました。”

もし彼女を「面接時の人物の印象」という一時の主観的尺度だけで見ていたら、取りこぼしてしまっていたかもしれません。彼女のようなケースでも、能力を客観的に見ることで掬い上げ、到達度を数字で見ながら育成することで活躍までの道筋を引けるようになった。これが会社としての大きな成果だと思っています。

新入社員達がだんだんレベルアップしていっていることが育成側にも本人達にもわかり、それを会社全体で共有する。その情報をもとに配属を検討し、配属先でも活躍する。こうした好循環を作る中核となったのが、採用から育成までをシームレスにしてくれたTrack Testなんです。

株式会社日本オーエー研究所
1983年創業の老舗システム開発企業。日本社会の基盤となる公共系システム開発の多くを担い、通関システムや国税、航空管制など幅広い分野を開発する。NTTデータのアソシエイトパートナーとして、公共系以外にも金融系、法人系など様々な大規模開発案件を手がける。 2022年 TOKYO PRO Marketに上場。
  • 久田 一徳 様
    株式会社日本オーエー研究所
    経営企画室
    企画担当

    雑誌のライターからITエンジニアに転職後、Webアプリケーション開発からインフラ保守、プロジェクトマネジメントに至るまで幅広く経歴を積み、2年前から社内の企画担当として主に人事面での制度改革に従事。週末の趣味はサウナとプログラミング。

  • 重原 佳苗 様
    株式会社日本オーエー研究所
    公共コンサルティングソリューション部

    前職は司法書士補助者として不動産登記に関する手続きなどに携わる。2023年1月に日本オーエー研究所に入社。未経験者研修を経て、貿易流通システム担当として配属され、詳細設計や製造工程を担当。週末は社会人劇団の一員としても活動。

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Track Testは、エンジニアのプログラミングスキルをテストし、データに基づいて採用を決定するための技術採用プラットフォームです。

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