導入事例

SCSK株式会社

ポテンシャル層のキャリア採用入社者に対し、
講義×eラーニングとAIアシスタントによって、
月ごとの流動的な入社者数に対し手厚い育成研修プログラムを策定

  • Track Training
  • Bootcamp by Track
  • スキルアセスメント
  • 育成・研修

「夢ある未来を、共に創る」を経営理念として掲げ、共創ITカンパニーを目指す同社の中でも製造業・流通業・通信業など多くの顧客を抱える産業事業グループでは、継続的な事業拡大のために、未経験者を含むポテンシャル層のキャリア採用とそれに伴う育成研修プログラムづくりが急務であった。
HRBP*を導入し、事業グループ内の人事担当者主導でキャリア採用入社者への手厚い対応方法を模索した結果、講師による講義とLMS*(Learning Management System:学習管理システム)による自己学習の両立で理想的な体制を作り上げた。
*HRBPとは、企業全体ではなくビジネスを遂行する事業部門における人事の視点からビジネスへの貢献をはかる組織機能。
*LMSとは、管理者が受講者の学習の進捗状況や理解度を把握できるシステム。

  • 課題
    ポテンシャル層のキャリア採用入社者に対し
    IT基礎スキルを習得できる環境を整えたいが、
    月ごとの受講対象者数が流動的で、
    ひとりひとりと向き合う講師常駐型の手厚い教育の常設が難しい。
  • 解決策
    講師による集中講座とLMSを用いた自己学習を毎日行う
    2ヶ月間の研修プログラムを策定。
    講師がいない時間はAIアシスタントが質問に回答。
  • 成果
    ポテンシャル層のキャリア採用に力を入れ始めて
    間もないタイミングで、現場配属レベルに育てる研修を実現。
    年間100名以上を継続的に受け入れられる枠組みが
    短期間で構築できた。

課題

ポテンシャル層のキャリア採用入社者に対し
IT基礎スキルを習得できる環境を整えたいが、
月ごとの受講対象者数が流動的で、
ひとりひとりと向き合う講師常駐型の手厚い教育の常設が難しい。

企業のIT投資の重要度が増している昨今、当社へのお問い合わせはありがたいことに年々増え続けています。しかし、2,000名を超える産業事業グループでも案件をお受けしきれない状態が発生しており、市場ニーズにお応えした更なる事業拡大へ向けた人材戦略の見直しを迫られていました。

中期経営計画では事業の選択と集中を行い、戦略事業への社員シフトを積極的に行っていますがまだまだ不十分で、キャリア採用の強化が課題のひとつとなっています。これまでは即戦力となる経験者の募集のみでしたが、今後の事業計画に則した人員計画をみると最低でも年100名のキャリア採用者を継続的に獲得していく必要があるとの試算になり、IT未経験者を含むポテンシャル層に対象を広げる方針としました。ポテンシャル層の採用にあたり、技術力の基礎を養う研修プログラムの開発も同時に必要になってきました。

当社は全社員に「継続的な学びと成長の機会」を提供する人材育成体系として、200種を超える研修メニューを擁しています。一方、IT未経験者を含むポテンシャル採用はここ最近始めたばかりで、原則IT基礎スキル保有が前提の全社の研修は、未経験者には少々難易度が高い内容でした。新卒入社社員はIT未経験者も多いですが、入社から5か月間を新人研修期間として徹底的にIT基礎、および社会人としての基礎スキルを伸ばした後に現場配属します。

ポテンシャル採用でのキャリア入社者は、社会人としての基礎スキルを有し、さらに学習意欲が高く入社後にITスキルを大きく伸ばすことが期待できる優秀な人材を厳選して採用しています。入社と同時にIT基礎教育を実施し事業グループとして一定のスキルまで引き上げた状態でOJTに移行することで、育成スピードの加速と配属先部署の教育負荷の軽減が可能と考えています。

“当社にとって社員は家族です。現場もそういう意識を持っているだけに、OJTにも手を抜きませんので負担もかかります。だからこそ、キャリア採用入社者であっても手厚い研修にしたいと考えていました。”

eラーニング学習のみの孤独な環境にせず、ひとりひとりと向き合う形式での講義ベースの研修を実施したいと考え、ギブリー社を含む複数社にご相談させていただきました。しかしそこで「少人数での毎月開催」という問題に突き当たりました。

キャリア採用の人数はどうしても変動します。研修が必要なレベルかどうかもわかりません。毎月10〜20名の参加など確約できない中で、人数確定がギリギリ1ヶ月前になってしまうことも講義を前提とした研修の障壁でした。

試行錯誤の末、「eラーニングと講義形式のハイブリッド型」にし、私たちが求める手厚い研修を毎月変動する人数に応じて実施することによって研修コストの最適化を図ることができました。さらに、ギブリー社がAIアシスタントによる学習支援機能をお持ちだったことも導入の決め手となりました。ギブリー社のAIアシスタントでは、研修の課題に関する質問に対し解答ではなくヒントを返します。これにより受講者は、常に考え自ら答えを導き出していくことで本質的な理解をしていきます。これは非常に重要な機能と感じています。また、AIは相手の都合を気にせずに聞きたい時に気兼ねなく質問ができるのもメリットです。

解決策

講師による集中講座とLMSを用いた自己学習を毎日行う
2ヶ月間の研修プログラムを策定。
講師がいない時間はAIアシスタントが質問に回答。

2ヶ月間のハイブリッド研修は講師による「集中講義期間」と、LMSを使って課題に取り組む「eラーニング期間」を6日ごとに切り替えて行うオンラインプログラムを策定しました。

キャリア採用は新卒以上にスキルの個人差があるので、個別の理解度に合わせて進められるeラーニングは有用ですし、LMSならそれぞれがどの程度の理解度にあるかの把握も容易です。ただ、やはり”孤独感”と”本人の困り感”をフォローしづらいデメリットは懸念材料でした。そこをカバーするためにギブリー社が対応してくださったのが、毎日の朝礼・終礼と週1回のオンライン1on1です。

“この体制なら一人ひとりの状態がタイムリーに分かるため、「この受講者は今フォローが必要だ」と早期に察知できます。講師の方からの説明や声がけもあるので、講義型でよくある「実は理解していませんでした」という事態も起こりにくい仕組みにすることができました。”

AIアシスタントも講師の方への相談機会があることで、より効果的な活用につながったと思います。「AIへの質問で解決できるのか」「講師に質問をした方がいいのか」、そういった使い分けも徐々にできるようになっていきました。

ギブリー社には講師のアサインに関しても無理をきいていただき、一度の受講者が1名であっても10名以上になっても講師の人数を調整し、一人ひとりの受講者を手厚くサポートできる体制になっています。通常4~5か月かかるIT基礎スキル学習を2か月で習得することは、対象者にとっても簡単なハードルではありません。単元ごとに確認テストを行っていますが、eラーニング学習後の初回テストで不合格となる対象者は7割程度。合格点に至らなかった対象者は講師の方が個別に指導を行い、合格点に達するまでテストを繰り返す仕組みです。

結果として、ほとんどの対象者が合格点ギリギリではなく、満点に近い得点をとれるようになってから次の単元に進んでいます。逆に、プログラミング経験があり早々に課題をこなしていく対象者には、多数の応用課題が用意されているので決して手を抜けないプログラムです。

このひとりひとりに向き合う手厚いトレーニングは配属先組織からも大変好評で、現場からの要望により、開発要員へのリスキルを図る社員にも本研修を受講させるといった対応をしています。

“しかも、Track Trainingの講師は現役エンジニアばかり。先輩社員のように質問の仕方などのヒューマンスキルもご指導いただき、研修後の配属部署へのフィードバックも後のOJTにつながっています。”

いくら良質な研修だったとしても、ポテンシャル層を2ヶ月で現場の即戦力レベルに引き上げるのは難しいことです。だからこそ、現場に配属されてから「本人がどう努力したら伸びるのか」「受け入れ側でどうフォローしていけば力を発揮できるのか」など、本人の特性に合わせたアドバイスをいただけることが非常にありがたいです。

研修中の受講者への接し方についても、「委託先」ではなく「先輩エンジニア」として接してほしい、というお願いをしており、講師の方への報告・質問の仕方などについても指導いただきます。また、修了後に配属部署の上司に共有する個人評価シートにも、技術スキルと共にヒューマンスキルの評価を記載いただいています。

講師の方による経験談も「現場のイメージが湧く」と受講者から好評です。受講者同士の仲間意識を醸成するために当社側で行う週2回の朝会とも併せて、「人間的な部分」をうまく取り入れた研修に仕上がったと感じています。また、eラーニング学習の時間があることで、配属先での会議や面談時間を柔軟に組み込むことができるので、研修期間中も配属先とのコミュニケーション機会を十分に設けることができています。

成果

ポテンシャル層のキャリア採用に力を入れ始めて
間もないタイミングで、現場配属レベルに育てる研修を実現。
年間100名以上を継続的に受け入れられる枠組みが
短期間で構築できた。

当組織では2023年度の後半からキャリア採用のドライブをかけ始め、キャリア採用入社者数は前年度から飛躍的な伸びを示しています。現在も採用活動は活発で、産業事業グループだけで年間100名ペースでのキャリア採用を継続中です。

今後も継続的に多くの人材を受け入れていくためには、優秀なポテンシャル人材を採用し、しっかり教育したうえで現場に育成をバトンタッチできるよう、今回のような形式での基礎教育が不可欠だと改めて実感しています。

“当社の年齢比は日本全体と同じ釣り鐘型。ポテンシャル層のキャリア採用の仕組みを作らなければ事業拡大をしていても人員が減ってしまいます。この状況に継続的に対応できる枠組みが見えてきて、ホッとしました。”

教育のほかに、採用を拡大したことで選考負荷が課題として浮かびあがってきました。

無論、地力のある人材をしっかり選びたいので、選考にも手は抜けません。ギブリー社は『Track リクルーティングパートナー』と銘打って採用支援もスタートされていますので、今後は強みであるAI技術を活かした採用業務の効率化についても一緒に検討いただけないかと期待しています。

SCSK株式会社
SCSKグループはコンサルティングから、システム開発、検証サービス、IT インフラ構築、IT マネジメント、IT ハード・ソフト販売、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)まで、ビジネスに必要なすべてのITサービスを フルラインアップで提供しています。また、IT を軸としたお客様や社会との共創による、さまざまな業種・業界や 社会の課題解決にむけた新たな挑戦に取り組んでいます。
  • 加藤 宗俊 様
    産業事業グループ
    産業事業グループ統括本部
    統括部 人事課長

  • 山本 有紀 様
    産業事業グループ
    産業事業グループ統括本部
    統括部 人事課

  • 廣瀬 由和 様
    産業事業グループ
    産業事業グループ統括本部
    統括部 人事課

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