2017.07.06

いま話題のHR Techに振り回されないための
重要な視点とは?

HR Techは採用の効率化と
ミスマッチを無くすためのもの

Contents

1 採用に「AIだ!」「ボットだ!」と突然上司が言い始めて悩んでいるあなたへ
2 HR Tech3つの本質
2.1 1.自動化による工数削減
2.2 2.可視化によるデータ管理・活用
2.3 3.クラウド化による知見のデータ化と結集
2.4 人事担当者が見極めるべきは、「人がやるべき仕事か否か」とは別に、「求職者にとって本質的かどうか」
2.5 HR Techは採用の効率化とミスマッチを無くすためのもの
2.5.1 関連コンテンツ

採用に「AIだ!」「ボットだ!」と突然上司が言い始めて悩んでいるあなたへ

HRの領域において、最先端技術を駆使して生産性を高めていこうという動きが加速しており、これらを総称して、HR Tech(Human Resource * Technologyの造語)と呼ばれている近年。アメリカでは数年前からすでに始まっていたこの流れが、日本でもいたるところでHR Techに関わるカンファレンスやミートアップを目にするようになりました。
これを後押しするように、日本政府が「働き方改革」を打ち出し、いよいよ各社でもHR領域になにかしらテクノロジーを求める要望が顕在化してきているタイミングかと思います。新卒採用も18年度卒の採用活動が終盤に差し掛かり、19年度卒の新卒採用の戦略決定に向けて、情報収集をスタートする時期に入っている企業も少なくないのではないでしょうか。
そんな中、最近いただくご相談に多いのは、「とりあえず、AI(人工知能)で選考できないかな?」とか、「ボットが学生の質問返してくれないか?」といったお問い合わせです。上司から、「そろそろうちもAI(人工知能)だ!」と言われたりするケースも増えてきているようです。
人事部門の方が、新しいテクノロジーに目を向け始めていることは良いことなのですが、人がやるべき仕事とテクノロジーに任せてよい仕事の区別がしっかりとできていないと、求職者が離れていってしまう可能性があるかもしれませんし、HR Techの本質を見極めないと痛い目にあうことがあります。
本コラムでは、そんな迷える人事担当者向けに、HRにテクノロジーが介在することの本質具体的なサービス事例を踏まえて押さえるべきポイントを解説いたします。

HR Tech3つの本質

弊社もHR Techサービスを開発する上で、テクノロジーが介在することの意味を考えて作ったのですが、中でも、HRTechサービスには、次に挙げる3つの本質的価値を重要視しています。

1.自動化による工数削減
「AI(人工知能)」「ボット」などのキーワードに期待をされることとして、人が人でなくても良い作業を任せることでの工数削減があります。
例えば、ソフトバンクがAI(人工知能)を活用して書類選考をする、といったことが今年からすでに始まっていたり、性格診断で自社に最適な人材を把握することができるといったサービスが出てきています。

ソフトバンク、IBM「ワトソン」で就活書類選考
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ29HZS_Z20C17A5TI1000/
「AI人事部長」は理想的な人財を自動抽出する
http://workup.com/ja
こういった自動化による工数削減によって、人が人だからこそできる仕事に注力できるようになっていくでしょう。

2.可視化によるデータ管理・活用
HRTech領域の中には、今まで見えていなかったことを「見える化」することで、データ管理・活用していくサービスがあります。
たとえば、複数人の面接官が面接を実施しているという企業において、ある面接官は選考判断を非常に厳しくしているのに対して、他の選考官は甘く評価をつけているといったことがあるかもしれません。こういった評価の課題に対して、面接官それぞれの年間の選考人数と通過人数から通過率を出すことで、面接官ごとの選考判断の良し悪し自体を評価して、差異を是正していくといったことができる採用管理ツールなども出てきています。ビズリーチ社が提供するHRMOSなどはそういった面接官ごとの評価機能まで充実していたりします。

人材投資を可視化する「HRMOS(ハーモス)」
https://hrmos.co/
可視化されることで、次年度の改善に繋げることができるとともに、担当者が変わってしまったとしても、そのデータを活用すれば、前任と同じ、またはそれ以上のパフォーマンスを出すことだってできるかもしれません。

3.クラウド化による知見のデータ化と結集
近年サービスがクラウドで提供され始めたことにより、導入工数をかけずに安価で自社に組み込めるといった価値があります。
安価に低工数で導入ができる、つまり各社が最小限のエネルギーでサービスを使えるようになることで、いろんな企業の知見やノウハウもたまりやすくなるでしょう。
例えば、弊社で開発しているcodecheckは、プログラミング試験の配信サービスなのですが、多くの業界の企業が使ってくれることによって、同じ問題を解いたエンジニアの市場平均が出せるようになったり、同じ年齢のエンジニアとスコア比較ができるようになったりするわけです。
これは今まではできなかったことがクラウド化によって見えるようになったと言えます。
以上の3つの「HR Tech3つの本質」は、言わば「テクノロジーに任せてよい仕事」を担うものです。

人事担当者が見極めるべきは、「人がやるべき仕事か否か」とは別に、「求職者にとって本質的かどうか」
ここ最近の動きから、「求職者からの質問や問い合わせにいちいち返すのがめんどくさいから、シナリオ組んでボット化できないか」であったり、「書類選考が結局学歴の精査になっているのでAI(人工知能)を活用して人事担当者の工数を削減できないか」といった視点で、無駄の排除や工数削減を軸に社内で議論することは多いと思います。
この視点ももちろん重要で、「本当に人がやるべき仕事なのか」「これは自分じゃなくても良いのではないか」を追い求めた先に、HRTechは存在しています。
しかし、実際に導入をするフェーズに入った時に気にしなければならないことは、「求職者にとって本質的かどうか」を見定めることであり、それを「しっかりと求職者に伝えること」です。
まだまだ最先端の、発展途上の技術を活用するケースが多い領域だからこそ、上記視点を忘れずに、導入を検討することをオススメします。

HR Techは採用の効率化とミスマッチを無くすためのもの
実は、codecheckの開発においても、「求職者にとって本質的かどうか」はかなり重要視して進めています。
もともと開発をする上での思想として、「エンジニアが履歴書や学歴の情報だけで選考されるのではなく、学んでいる技術をベースとして今の自分でアピールができる選考を実現できないか」という視点から始まりました。例えば、初期からあるGithub受験は、自分の使い慣れたエディターで開発したい(受験したい)という方のためのものです。また、出題される問題においても、アルゴリズムの問題だけでは実社会で求められるスキルとは言えないため、Web実装系の問題を用意しており、実務力をアピールできるという環境を目指して新しい問題作成にも取り組んでいます。
サービスの導入によって、人事担当者や現場の工数削減になるのはもちろんのこと、こういった求職者ファーストな考え方かどうかも導入の際にぜひ考えてみてください。

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  • Writer
  • AgileHR magazine編集部
  • エンジニアと人事が共に手を取り合ってHRを考える文化を作りたい。その為のきっかけやヒントとなる発信し続けて新しい価値を創出すべく、日々コンテンツづくりに邁進している。

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