Introduction
こんにちは。trackチームの藤田です。
最近「働き方改革」というワードが飛び交っており、皆さんも注目しているのではないでしょうか?国も経済産業省や厚生労働省など役所をあげて取り組みを実施しています。「今後の10~20年程度で、日本人の労働人口49%辺りがついている職業を、人工知能やロボットで代替される」(株式会社野村総合研究・2015年12月)などとも言われております。そんな中、営業やサービス、IT部門、バックオフィスとそれぞれの場所での働き方が大きく変化していくことは明白です。今回は人事採用部門が、これからどうあるべきなのか考察したいと思います。
Contents
1 人事採用の視点から見る、これからの日本
2 第4次産業革命による産業構造の変化
3 これからの人事はどうあるべきか
4 「ヒト」にしかできない業務に注力していくこと
4.0.1 関連コンテンツ
人事採用の視点から見る、これからの日本
言わずと知れたことですが、これからの日本は少子高齢化が加速し人口が減少し、2060年には8700万人になると推測されています。また労働人口においては、2013年が約6,500万人だったのが、2030年には約6,300万人、2060年には5,400万人程度にまで減少すると言われています。
2015年12月調査の日銀短観によると、企業の雇用の過不足感(全規模全産業)は、リーマンショック後の2009年6月調査(4-6月期)をピークに、雇用の過剰感の解消が進み、2013年3月調査(1-3月期)以降は、人員の不足感が拡大する傾向であるともされています。(日銀短観・2015年12月)
第4次産業革命による産業構造の変化
第4次産業革命により新たに立ち上がるIoTやAIに関する市場は、世界規模で今後大きく拡大していくことは間違いない状況です。日本企業がグローバル競争に打ち勝ち当該市場を獲得すれば、新たな「仕事・労働」の創出が可能となります。 このためには、ビジネスを創出するプロセスが、IoT・ビッグデータ・ロボット・AI等の技術を前提としたものに大きく変化していくことに対して、日本企業が先んじて対応していくことが必要であると言われています。
以下、第4次産業革命がもたらすであろう影響を挙げます。
IoT、ビッグデータ、ロボット、AI等のデータを巡る技術革新
「リアルデータ」の利活用の基本サイクルとなる
データを巡る競争の激化/データと強みを結びつけた 好循環の形成
定型労働に加えて非定型労働においても省人化の促進
人手不足の解消
バックオフィス業務などの従来型のミドルスキルのホワイトカラーの仕事の大幅減少
これからの人事はどうあるべきか
第4次産業革命が起こりつつある今後の世の中では、「モノ」や「カネ」ではなく「ヒト」こそが競争力の源泉になっていくと考えられています。
今までは「労働時間の削減」が中心施策でありましたが、上記でもある通り、人口減社会においては労働時間というよりは「ヒト」それぞれの働き方や生産性向上が経済成長をもたらすものである、というものです。
それはすなわち、企業において「人材」を扱う「人事」こそが核になるとも言えるでしょう。
人は企業にとっての大切な資産であり、競争力の源泉です。その人材の活用をどう考えるのか、どんな手段が有効かを明確にしてくことが、これからの人事の役割となっていくのではないでしょうか。
人事はこれまではいわゆる事務管理(オペレーション)が中心で、経営に直接的に貢献する側面は相対的には少なかったのが実情です。しかし、これからは「人事」と「経営」が近づきながら、経営の意思に人事機能をより明確に乗せていく必要があります。いわゆる「守りの人事から攻めの人事」への変革が求められる時代が到来しているのです。まずは、多大な工数がかかっている現行のオペレーション部分を効率化することが課題となるでしょう。HRTechの領域では、テクノロジーを駆使した工数削減が注目を集めています。
「ヒト」にしかできない業務に注力していくこと
引用:CB INSIGHTS Putting In Overtime: 125+ HR Tech Startups In One Infographic(NOVEMBER 23, 2016)
以前のコラムでもご紹介しましたが、上記の通り、HR Tech領域は様々なサービスが展開されています。「ヒト」でなくても対応ができる部分の業務をテクノロジーサービスを駆使して工数削減や効率化ができるかをデザインし、「ヒト」にしかできない業務に注力していくことは各企業の競争力となるでしょう。
激動の時代に、業界の中で勝ち残っていく一つの方法なのではないでしょうか。まさにこのような取り組みの中心であるべきなのが「戦略人事」の役割であると思いますので、変化を恐れずチャレンジの連続であって欲しいと思う次第です。
幸いにも最近のサービスはお試し利用などができるものが多いので、まずはHR Techを自社で試験的にでも導入してみるという姿勢も大事かと思います。