導入事例
リコーITソリューションズ株式会社様
生成AIのスピード感に適応した「人材開発と製品開発サイクル」を構築。中堅社員向けRAG研修で3ヶ月後にAI製品をリリース
- Track Training
- Bootcamp by Track
- 育成・研修
事業の戦略立案・人材教育・市場展開を一体にしたサイクルを回して成長を続ける同社は生成AI領域に事業拡大を図るも、さらなるスピードアップが課題となっていた。そこでTrack が提供する「RAG開発実践研修」を中堅エンジニア向けにプルアップ教育の一環として実施。短期間でRAG技術を活用したAIソリューション「RICOHデジタルバディ」開発に成功し、社内の生成AI技術浸透の端緒をも掴んだ。 * 「RICOHデジタルバディ」の詳細については、以下のWebページをご覧下さい。 https://www.ricoh.co.jp/products/list/ricoh-digital-buddy
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- 課題
- 生成AIの技術進歩・開発競争が急加速。 製品の市場展開スピードを2倍にするためには最新技術を体系化した教育が不可欠。
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- 解決策
- 中堅エンジニア向けにカスタマイズした週1回×2週の
オンラインRAG開発実践研修で、
プロダクト開発の行き詰まりポイントまで学習。
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- 成果
- 研修後3ヶ月という短期間でビジネスの可能性を広げる
『RICOHデジタルバディ』をリリース。
社内の生成AI技術浸透にもつながる一手に。
課題
生成AIの技術進歩・開発競争が急加速。 製品の市場展開スピードを2倍にするためには最新技術を体系化した教育が不可欠。
弊社はリコーグループのソフトウェア開発を担う会社として、オフィス向け複合機や商用プリンターなどをエッジデバイスとして組み込み活用するソフトウェア開発を行ってきました。また、自社に留まらず業界業種向けにもサービスの開発も進め、先端技術であるAIについてもBERTによるソリューション提供などを行ってきておりました。
現在、時代の流れと共に提供する価値の中心は、メーカーの「モノ」から「デジタルサービス」に移ってきており、各社のコア技術も次々と変化しています。そうした状況の中、弊社としては会社の財産であるエンジニアの新たな技術スキル獲得を組織として支えることが重要であると考え、人材教育を事業戦略と製品開発・市場展開のサイクルの中に組み込み、Agile的に回すことで企業としての成長を続けようとしています。
しかし、ご存知の通り2022年11月のChatGPTリリース以降、生成AI領域における技術進歩と製品開発競争のスピードはかつてないほど加速を続けています。弊社としてもその流れに乗るべく「生成AIを武器に」をスローガンに2023年10月にAIの専門組織を立ち上げて注力する体制を作りました。
日々企業に蓄積されているドキュメントデータを生成AIで活用するソリューションの開発にはRAG技術が必要であると気づきましたが、「RAG」というワードが出始めたのは2023年の中頃。有志の勉強会がちらほら企画されていましたが、体系化された知識はまだ編まれていない領域でした。
しかし、独学の半端な知識で開発できるような分野ではありませんし、「半年後」という市場の状況を考慮した短期間でのリリースを目指すならなおのこと体系化された知識は必須です。さらに弊社としては組織全体でAIを武器にしていくために、学んだ知識を組織全体に波及させたいと考えていましたから、知見を有した外部ベンダーの力がどうしても必要でした。そうしてリサーチしていた2023年末に出会ったのがギブリーさんです。
詳細を問い合わせても、オンライン開催に対応しつつ講義で終わらないハンズオンの実践的な内容、こちらの要望を汲んで柔軟にカリキュラム調整も行ってもらえるなど、非の付け所の無い内容でした。しかも、ギブリーさんは『法人GAI』など生成AIを活用した自社プロダクトの開発実績も有しているため、外部事例と実践的なノウハウの獲得も期待できましたから、導入の決断に迷いはありませんでした。
解決策
中堅エンジニア向けにカスタマイズした週1回×2週の
オンラインRAG開発実践研修で、
プロダクト開発の行き詰まりポイントまで学習。
しかし、開発の中核を担うメンバーが現場から10日間も抜けるのは大変厳しいものがありました。そこで実力も考慮して、週1回の研修を2週に渡って行う2日間の研修にしてもらうよう圧縮をお願いしました。参加者は開発の中核となるメンバーと、今後社内で若手に技術を広めていくエバンジェリストとして役目を担う人材が全国7拠点から計10名。移動による時間ロスも発生しないオンライン型で、研修後に即実践につなげられるよう演習と質疑の時間もとった濃密な研修として実施していただきました。
「OpenAIに対してAPIを使ってトークンを投げるやりとりを行う」といったハンズオンを通して、「ベクトルデータの取り扱いのどこで詰まりやすいのか」といったポイントや解消法も学習できたこともあり、いつも辛口の研修評価を下す弊社中堅メンバーの評価も非常に高かったのが印象的でした。
実際の開発現場では、基礎知識がついたおかげで技術習得が効率的になったのはもちろん、エンジニアの技術理解の幅が広がったことも成果の一つとして実感しました。通常プロジェクトの中で新技術に触れる場合「まずは今プロジェクトで扱う部分を理解しよう」と進めていくため、技術理解が限定的になりがちです。
ですが、今回の研修ではLangChainの全体像・幅広い機能まで把握することができたので、自分達が作っているソリューションの現在地が見えてきたのです。そのため「今後はこんな機能を追加できる可能性がある」「この点にはアップデートの余地がある」という発想が湧いてきました。
開発の核となる中堅社員には、自分達が素早く技術習得をした上で他のメンバーをサポートする役割も担うことになります。そうした相談役をこなすためにも、短期間のプルアップ研修として効果的だったなと感じています。
成果
研修後3ヶ月という短期間でビジネスの可能性を広げる
『RICOHデジタルバディ』をリリース。
社内の生成AI技術浸透にもつながる一手に。
やはり最大の成果は2024年6月に『RICOHデジタルバディ』を世に出せたことです。RAG研修実施が同3月ですから、研修後3ヶ月という大変短い期間で市場展開までフェーズを進めることができました。
このサービスは企業内に眠っているデータを掘り起こして生成AIに活用するものなので、「さらにカスタマイズして社内のSIに組み込めないか」といった発想につながり、新たなビジネスへ広がっていく可能性を持っています。また、別の生成AI案件が発生した際にこのサービスの技術を転用する「アセット」にもなるはずです。こうした今後の事業発展にも期待をしています。
ただ、それと並ぶほど大きな成果だと感じているのは、事業戦略立案・人材教育・市場展開のAgile的サイクルを短期間で回すことができ、生成AI領域の技術が社内に浸透していく一歩になったということです。
まだリリースから数ヶ月しか経っていないので技術の組織展開はこれからですが、まずはAIストラテジーセンターの中で「全員がRAGが分かる」という状態にできたらいいですね。
未来に目を向ければ、今回のRAGのように新たな技術が次々と出てくるはずです。その中で今回同様、外部研修により素早く技術をものにしてそれを組織に浸透していく。そうした文化が弊社に根付いていって欲しいと願っています。その意味でも、今回のようにスピーディーに先端技術の研修を提供してくれるギブリーさんには今後も大いに期待しています。
- リコーITソリューションズ株式会社
- リコーグループのソフトウェア開発会社として、データ分析やAIなどのデジタル技術を駆使し、企業の情報活用を促進するサービスプラットフォームを提供。複合機などのエッジデバイスがもたらす顧客企業との距離の近さを活かし、業務効率化や満足度向上につながるDX化をサポートする。
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- 高田 忠礼 様
- ITソリューション事業本部
AIストラテジーセンター
センター長
同社入社後、OCRを活用した自社パッケージソフトウェア開発や、複合機関連アプリケーション、IoTシステム、システムインテグレーションの開発に従事。その後、生成AIソリューション事業の推進を担い、自社のAI事業戦略の立案と実行、AI技術強化に取り組んでいる。
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- 金田 結香 様
- ITソリューション事業本部
AIストラテジーセンター
AIソリューション開発部 第3グループリーダー
新卒で同社入社後、複数のプロジェクトで開発とプロジェクトマネジメントを経験。RAG研修受講後、デジタルバディの製品化プロジェクトに開発者としてプロダクトリリースに携わる。現在はマネージャーとしてデジタルバディ製品化開発プロジェクトに関わる。
この企業で利用している
製品・サービス
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