2017.03.13

面接で役立つエンジニアの個性を
人事でも
見極められる3つの質問

実績重視のエンジニア面接手法とは

Introduction

こんにちは。trackチームの新田です。
2018年新卒採用も本格化する中で、エンジニア(技術職)の求職者と面接をする人事の方が多いと思います。

Contents

1 エンジニア面接手法の「実績」重視への転換
2 でも詳しいことはよくわからない
3 エンジニアの個性を見極められる3つの質問
3.1 質問1:「なぜその技術(言語やフレームワーク)を選択・利用したのですか」
3.1.1 言語やフレームワークの特徴に関する解答:スペシャリストタイプ
3.1.2 製品そのものやチームに関する解答:ジェネラリストタイプ
3.1.3 深い理由がない場合:意欲を見極めましょう。
3.2 質問2: 「そのプロジェクト(製品)の課題に感じている事、解決したいことはありますか?」
3.2.1 技術(力)に関して課題を感じていた場合
3.2.2 製品の機能やチームに課題を感じていた場合
3.2.3 特に課題や展望などを考えていない場合:自社で成長できそうかを見極めましょう。
3.3 質問3:「弊社に入社してから何か挑戦してみたいことはありますか?」
4 質問(人事面接)をする上で重要なこと
4.1 自社が求める技術水準のエンジニアはとても数少ない
4.2 あなたは技術者ではない
4.3 自社で活躍できるかのポテンシャルを模索しにいく姿勢
5 補足
5.0.1 関連コンテンツ

エンジニア面接手法の「実績」重視への転換

その中で、新卒も「ポテンシャル採用」から「実績採用」になりつつあるのか。の記事にもあるように、面接の手法も中途新卒に関わらず、「実績」に重きが置かれてくるようになってきています。 新卒でいえば、 開発実績・インターン経験・研究内容 、中途でいえば 職務経歴における開発実績など、多くのエンジニア求職者がこれまで自身が開発に携わってきた内容を面接内で話す場面が多いのではないでしょうか。

でも詳しいことはよくわからない

しかしながら、面接内でこういった場に直面した際、皆さんはどのような質問やリアクションをされていますでしょうか。 「自分は技術のことは深くはわからないからなあ」
「エンジニアに直接話してほしいなあ」
「実際にその求職者がどこまで出来ているのだろう」
と、詳しいことがわからないために不安になることもあるのではないでしょうか。
そこで、今回は 人事の方でも実践できる、エンジニアの技術者としての個性を見極められる3つの質問をご紹介したいと思います。

エンジニアの個性を見極められる3つの質問

質問1:「なぜその技術(言語やフレームワーク)を選択・利用したのですか」
職務経歴書やレジュメの中においては、

関わった製品の概要
利用した技術
などが記載されているケースが多いのではないかと思います。
その際には、 「なぜその技術(言語やフレームワーク)を選択・利用したのですか」
とぶつけてみましょう。
技術選択の理由を問うことで、

その人が自分自身で関わった部分やその理解度
技術選択における価値観
を理解することができます。具体的な回答例や特徴をご紹介したいと思います。

言語やフレームワークの特徴に関する解答:スペシャリストタイプ
- 周辺コミュニティが充実していて、今後も安心できるから
- サンプルや解決策が見つけやすいから
- とにかく実行速度が早いから
- 保守性を高くプロジェクト(ソース)を保つことができるから
まずよくある回答としては、上記のように製品の内容に関わらず、その技術の “特性や特徴”から技術を選択しているケースです。
技術そのものをより高度化することで、製品の価値を高めていきたいという スペシャリストタイプの方に多く見られる回答です。
コミュニティに参加していたり、よりライブラリや言語の内部構造や使い勝手まで理解していたりする方は、そこから技術の詳しい深掘りの話をしてくださるかもしれません。

製品そのものやチームに関する解答:ジェネラリストタイプ
- とにかく早くリリースすることがミッションだった
- チームの皆が使うことができたから
- ユーザの8割がスマートフォンユーザだったから
次によくある回答としては、上記のように技術選択が目的ではなく、製品の “手段”として技術を選択しているケースです。
自分の好みではなく、会社や製品、チームなどを考慮して、全体最適をバランス良く考えられる ジェネラリストタイプの回答といえるでしょう。
PM経験が豊富な方や、ビジネス志向が強い方でしたら、開発した製品の魅力やビジネス展開などを熱く語ってくれるかもしれません。

深い理由がない場合:意欲を見極めましょう。
- とりあえず使ったことがある、学んだことがあるから
- 会社がその技術を使っている、使えと言われたから
なかにはこのように、理由を深く明確に説明できない方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、だからといって エンジニアとしての素質 がない訳ではありません。
もしかすると、現在関わっているプロジェクトに現状では十分に満足しておらず、課題を感じていて改善していきたいと考えているのかもしれません。
その場合は、次の質問で 意欲や課題意識を深掘りすることでポテンシャルを見極めましょう。

質問2: 「そのプロジェクト(製品)の課題に感じている事、解決したいことはありますか?」
関わっている製品や実績における 課題を問うことで、

現状の製品に満足をしているのか、の課題意識
今後どのように解決していきたいのか、などの成長意欲
をベースに、エンジニアの特性を理解することができます。具体的な回答例や特徴をご紹介したいと思います。

技術(力)に関して課題を感じていた場合
- 今は○○が使えるのでそれを使っただけだが、もっと○○を使いたい
- 最近○○が主流なので、そっちに切り替えたい
- 時間があればリファクタリングをしたい
- ○○の技術を活用したい
もし、 技術的な課題 に着目し、今後改善をしていきたいという意識をもつ方は、スペシャルなエンジニアとして成長していく可能性を秘めています。
現状のプロジェクトは自分の今のスキルに合わせたものや、誰かが指定しただけのもので、本当はもっと技術的な改善をしていきたい、という思いを持たれているかもしれません。

製品の機能やチームに課題を感じていた場合
- チームでバランスをとるのが大変だった
- もっと◯◯のような機能を作りたかった
作ったばかりの製品が未完成でクオリティが低いものだとしても、 製品の改善 に着目している場合、将来的に技術者とビジネスを結びつけるジェネラリストやマネージャとして、活躍していける可能性があるかもしれません。
ここで重要なことは、現状のスキルや状態だけでは判断せずに、将来性を推察することです。
また、それに対して適切な解決策を考えているかどうかを知ることで、 課題発見力・解決力 を見極めることができるでしょう。

特に課題や展望などを考えていない場合:自社で成長できそうかを見極めましょう。
- これ以上開発することは特に考えていない
- 会社がやっているだけなので
なかにはこのように、課題を明確に説明できない方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、もしかすると、今関わっている製品でやりたいことが実現できていないだけで、将来的にやりたいことやなりたい姿があるかもしれませんし、今後の成長を求めて応募をしてくれたのかもしれません。
その場合は、最後の質問で 自社で成長し活躍できそうか を深掘りしてみましょう。

質問3:「弊社に入社してから何か挑戦してみたいことはありますか?」
自社に入社してからの期待を確認することで、求職者がエンジニアとしてどのように成長していきたいのかを確かめることができます。

- 御社の○○という技術を使っていることを拝見し、自分もその技術に挑戦したい
- 御社の○○という製品はとても魅力的なので、自分自身が開発に携わりたい
などなど、これまで関わってきた製品では実現できていないような、自社の技術や技術者としての成長環境や、展開している製品そのものにおける魅力を感じてくれているかもしれません。
また、現場のエンジニアに確認した上で、それが本当に実現できる環境なのであれば、自社でも活躍できる可能性があるかもしれません。

質問(人事面接)をする上で重要なこと

自社が求める技術水準のエンジニアはとても数少ない
ここまで3つの質問をご紹介しましたが、面接する上で抑えておきたいポイントとしては、まず自社が求める水準のエンジニアは、世の中にはそう沢山はいないということです。
様々な憶測はありますが、業界全体での人材不足は加速の一途を辿っており、10年後には最大50万人のエンジニアが不足していると言われています。

あなたは技術者ではない
実績やスキルを軸にしたエンジニア採用の流れが加速する中で、短い面接時間のコミュニケーションの中で、自社に適切な人材かどうかを、人事だけで実績ベースで見極めるのは非常に難しいことです。
そのため、たとえ求職者の実績が会社の推奨している技術でなかったとしても、自社の求める技術水準に感覚的に満ち足りていなかったとしても、人事側だけで技術力を判断することは避けるべきと言ってよいでしょう。
もしかしたら、「求職者が心を閉ざして適切にスキルをアピールできていない」だけかもしれません。

自社で活躍できるかのポテンシャルを模索しにいく姿勢
その中で、数少ない求職者の中から自社に適切な人材を採用するために人事ができる面接における重要なミッションは ポテンシャルを最後まで面接内で見極めることができるかなのではないかと思います。
ダイヤの原石を最後まで模索することが、エンジニア採用において最も重要です。
人材不足が加速する中で、他社では難しかったとしても、自社で1人でも多く活躍していけるエンジニアを探し出すことができれば、不足が嘆かれるこの業界にとっても非常に価値の高いものになると思います。
trackでは、様々なスキルレベルや技術領域におけるプログラミング問題を提供しています。双方のミスマッチを低減し、エンジニア採用において重要な
自社で活躍できるダイヤモンドの原石を見つけ出せるお手伝い
に少しでも貢献できれば幸いです。

補足

今回のエントリでは、ジェネラルかスペシャルかの2視点で整理はしましたが、必ずしもどちらかに収まるというわけではないと思いますので、一つの指標として参考にしていただければ幸いです。
また、人事側のスタンスとして重要なことを書きましたが、求職者側も自身の実績やスキルを理解してもらうための努力が必要だと思っています。

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  • Writer
  • AgileHR magazine編集部
  • エンジニアと人事が共に手を取り合ってHRを考える文化を作りたい。その為のきっかけやヒントとなる発信し続けて新しい価値を創出すべく、日々コンテンツづくりに邁進している。

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